もくじ
はじめに・・・
場所は京成津田沼やJR津田沼などの駅を臨む裏の路地。
隠れ家的な少々奥まったところに明るい看板と雰囲気であるのが
就労移行支援事業所のスマイルハート津田沼だ。
中に入ると丁寧に迎えてくださる支援者の皆様。
挨拶を深々としてくださったのがセンター長の小笠原さんだ。
素敵な笑顔と頼りになる深い声で歓迎を口にする堀田さん。
今日は多くの若者達の就労に尽力していらっしゃるお二人の
人柄に触れるインタビューをしていこうと思う。

早速始めさせていただきますね。まずおふたりの
こういう仕事をしようと思ったキッカケを聞かせていただいていいですか?
小笠原:私はもともと福祉の専門学校に出ているんですが、
最初は高齢者福祉の方で相談員とかをずっとやっていたんです。施設長だったりだとかやってて、
自分の中で高齢者福祉の部分は達成感があって、満足してしまったので、
転職しようと思いまして、次は児童に行くか障害に行くかと選択肢を出したんです。
それで、ご縁があったのが前職になるんですが、就労移行支援事業所だったんですね。
そこで3年半やって、ご縁があってスマイルハートに入社して、
ちょうど10年になったところですね。

最初から志が福祉に向いていたんですね!
そもそも福祉に興味があったのは何故ですか?
小笠原:もともと病院のソーシャルワーカーになりたかったんですよ。
専門学校もソーシャルワーカーを養成する学科に行ったんですけれども、なかなかご縁がなくて・・・。
私が新卒だったのがちょうど99年で、介護保険が始まる1年前の最後の措置制度だったのもありまして、
措置制度をちゃんと経験して、介護保険をやってみたいな・・・というところで、
高齢者福祉の方に飛び込んでいったのがキッカケですね。

ちなみに堀田さんはどんなキカッケで?
堀田:僕ですか!?w
僕はもともとは全く違う、印刷とかデザインとかそこら辺の仕事をしていたんですけど、
お母さんが体調を崩した時に入院した時に、そこで優しく接してくださっている方々を見て、ところをずっとつぶ
人の役に立つ仕事っていいなと思ったのがキッカケです。
そこから医者になるのは当然難しいですけど、
なにか、人のサポートになる仕事で調べていったら、
こういう就労移行支援という仕事がある事を知って、入っていったんです。

ありがとうございます。それぞれご縁があったんですね。
ちなみに小笠原さんが感じた介護福祉での
満足感、達成感ってどんなものでしたか?
小笠原:もともと高齢者デイサービスの相談員として入ってたんですが、
ただ相談員業務だけじゃなくて、やっぱり男手が必要な介護が必要なおじいさんもおばあさんも
いたので、そういった介護も経験しましたし、
あとは相談員なので、ご家庭の中でお伺いしてアセスメントを取ったりだとか、
住環境を確認したりだとか色々あって、本当に十人十色、十通りのご家族があるんですよね。
その中で本当に素敵なご家庭もあれば、そう言い切れないご家庭もあったりだとか、
中には本当にちょっとした地震で潰れてしまうような、お家に住んでらっしゃる方もいたりだとか
良くも悪くも色んなご家庭、色んなご高齢者を対応させていただき、経験させてもらいました。
デイサービスの相談員だった頃は、デイサービスの中でどれだけ楽しんでいただいて帰っていただけるか
というところを目的に仕事していく感じでしたが、
仕事が異動になって有料老人ホームで相談員も経験させていただき、
有料老人ホームになるので入居金が結構高くなったりだとか、
あとはやっぱりそこが終の住処として来られる方もいらっしゃったりだとかするので、
全然デイサービスとは違うなというところも感じることもできました。
有料老人ホームというのは入居になるので、本当に24時間、365日というところなので
その違いはやはり色々ありましたね。そこでのご家族との接し方、また変わってきましたしね。
最終的には営業もやってたんですけど・・・、
そういった部分も本当に隅から隅まで経験したなというのが自分の中での達成感ですかね。

業界の隅から隅まで感じられたって事ですね!介護から障がい福祉へ。
実際どうですか?障がい福祉でどんなものを得ていますか?
小笠原:そうですね。まず障害福祉というものを正直何も知らない状態で飛び込んだんですけど、
求人表に就労移行支援事業所と書いてあるんですけど、それが何なのかすらわからない(笑)
自分の性格上、入って勉強すればいいみたいな感じだったので、入ってみて、
1から前職の就労移行支援事業所で学ばせていただきました。
制度であったりだとか、支援の仕方であったりだとか、
あとはそれぞれの病気や障がいについてもそうですね。
うつって一般的に言われているけど、うつって実際どうなの?というところだったり、
統合失調症もそうですし、発達障がいというのも入社してから1から勉強させていただいて、
こういう特性があるんだというのも、そこに来られていらっしゃる利用者さんを通じて学ばせていただきました。

答えづらいかもしれませんがw実際やりがいはどうですか?
小笠原:やりがいはものすごくありますね、やっぱり。正直やっぱり大変です。
それにこの仕事は感情労働なので、相手は何かしらのハンディキャップを持っている方ですし、
その特性でどうしても苦しんでいる部分もあるので、そこを理解しつつも、
ただやっぱり今のその状態だと会社で働くとまた辛くなっちゃうという現実的なところを、
どんな言葉を使ってどう伝えるかだとかというところも凄く大変ですよね。
信頼関係が全てだと私は思っているので、スマイルハートは担当制をとっています。
担当させていただく利用者さんと二人三脚で就職を目指すというところなんですけれど、
やっぱり担当させていただいた方が無事に就職決まった時っていうのは本当に自分ごとのように嬉しいですし、
何より定着支援の訪問で企業訪問した時に頑張っている姿を見ると本当に泣けます。
そこがこの仕事のやりがいですし、何より社会貢献度抜群の仕事だと私は思っています。
なので、一緒に働いているスタッフには担当している方の就職した喜びを
早く感じて欲しいという話は結構していますね。

そう願われているスタッフの堀田さんですがw
堀田さんが感じるやりがいって何でしょうか?
堀田:そうですね、本当に小笠原さんのおっしゃる通りで、やっぱり楽では全くないです。
正解がないって当然ですよね。
あの人はこういうやり方で上手くいったけど、この人は同じやり方で上手くいく訳がないですし、
そこら辺をしっかり見極めながらやっていくっていうのも 凄く大事であったりするし、
やっぱり信頼関係も大切ですけど、信頼関係と距離感はまた別物だと思うんですよね。
信頼はしていただけたら良いですけど、依存されてしまっても駄目ですからね。
就労に向けてという段階なので、そうなるとやっぱり厳しいことを言わなきゃいけない時もありますが、
その言い方1つでまたドーンと落ちたりとか、本当に今でも当然ながら試行錯誤で、
だからこそやっぱり小笠原さんがおっしゃったみたいに、就職して羽ばたいていってくれると、
あんなに大変だった子が、こんなに立派になって!!!
そういう喜びはやっぱりありますね。
昔、小笠原さんに言われたんですけど、
利用者さんの人生を背負ってるんだ。
と・・・、本当にその通りだと思いますよね。
だから私達もそれにしっかり向き合わなきゃいけないし、だからこそのやりがいですかね。
大変さを上回るぐらいの喜びがあるというのは凄く思います。

今お二人の共通の言葉として信頼関係という言葉が出てきたんですけど、
なかなか難しいじゃないですか。普通にこういうお仕事じゃなくても、
友人関係でも難しい所だと思うんですが、信頼関係を結ぶ為に
小笠原さんが意識していることってどんなことですか?
小笠原:日々のコミュニケーションですのでやっぱりこちらから声をかけていく事ですね。
体調どうかというところだったりだとか・・・。
あとスマイルハートでは毎週必ず面談をさせていただいているので、
そこの面談で本人の雑談から始めて、今の悩み事であったり、
ここは就労移行なので将来どうしていきたいのかとか、
そういったところを聞きながら、 プラスアルファで趣味趣向だとかも聞いてみたり・・・、
それで共通の話題を見つけてみるようにしたりだとか、
いきなりではなく徐々に距離を縮めていくところですよね。
堀田さんがさっき言ってましたけど、人によって距離感であったりだとか、
線引きするところだとか、人それぞれ異なってくるので、
そこは経験していかないとわからない部分ですけど、それぞれに合わせて対応しています。
比較的うちは若い利用者さんが多いので、場合によっては親御さんにもお越しいただいて、
一緒に面談したりだとか、その親御さんのお気持ちだったりニーズだとかっていうのも
聞き出しながら本格的にサポートさせていただいたりしていますね。

なるほど。堀田さんは信頼関係を結ぶ為にどんなことを気にしてますか?
堀田:そうですね。会話も当然必要になってきますし、
障がい者として見ないっていうのも凄く大事かなと思ったりします。
そういう目で見るよりも同じ目線、同じ人間という意味合いですよね。
その中で近所の人みたいな感じの、せっかく知り合ったじゃんという流れで雑談から入ったりも多いです。
変にピリッとした感じを出しても、なかなか難しかったりしますので、
そこからだんだん切り口を見出していくというか、そこら辺が一番自分の中で気をつけているところですかね。

先程、小笠原さんが親御さんのニーズのお話をされていましたが、
ご本人の意向と親御さんのニーズが合わない時なんかは
どんなお話を親御さんにされていきますか?
小笠原:親御さんとも関わりは持ちますけれども、主人公はご本人なんですよね。
その主人公であるご本人がどうしたいかっていう、
本質的なニーズをどれだけ私達が引き出すかだと思うんですよね。
ニーズであったり、本音であったり・・・。
例えば働きたくないってなったら、どうして働きたくないのかっていう理由をちゃんと親御さんに伝える。
面と向かって言えないんだったら代わりに伝えるよ。とか、
お手紙に書いてそれを見てもらおうか。とか、色んな手段を使って、
ご本人の本当のニーズ、本音を親御さんに伝えて・・・というところで、
親御さんの気持ちと本人の気持ちをちゃんと同じに。そこのお手伝いなのかなって思っています。
堀田:例えば働きたくないとご本人は思ってて、 親は年齢的に働いて欲しいとかあったとして、
大事なのは小笠原さんがおっしゃった通り、本人じゃないですか。
本人の意向を親御さんに伝えた時に、親御さんが納得してくれればいいんですけど、
そうはなかなかいかなかった場合は
今の状態で働いて果たして、長く働けますか?っていう話はしますよね。
私達は目先の就労ではなくて、先の安定した長期的な就労というのを見据えた支援をしているので、
今ご本人の心と体の安定を図る為に時間が必要です。というのはお伝えしています。
そこでご理解をいただいた上で親御さんのご希望を聞かせていただくんですよね。
高齢になってきたし、年金だけでは生活が出来ないから本人には働いて欲しいとか・・・。
色んなご希望も十分理解し、それでも1年、2年、お子さんの努力を待ちましょう!っていうところだったり。

親御さんを説得した上でご本人の意向などを聞いて
働かない。とか働けないっていう結論になった場合、
こちらではどういった対応をするんでしょうか?
小笠原:そうですね。本人がまずどうしたいかっていうところの確認は絶対ですよね。
ただ就労移行支援となると利用期限がどうしてもあるので、
今はここで過ごす事も出来るけれども、本当に働きたくて就職活動したいって時に、
今の状態でここにいると利用期限がなくなっちゃうけど、どうする?っていうのは聞きますね。
ちゃんとそこは本人に確認していきます。Aに行くのかBに行くのか、
それとも自立訓練に行くのかっていうので、施設や制度の説明もしたりします。

そうなんですね!就職だけじゃなくて、
他の福祉制度や施設のお話もしていただけるって事なんですね!
小笠原:そうですね。この仕事をしてて思ったのが働かない選択肢っていうのもあると思っているんですね。
日本って言ってしまえば、物凄い社会保障が充実している国ですので、
生活保護や障がい年金っていうのもそうですし、そういった制度を使って、
働かないで生活をしていくっていう手段もあるよ。
っていうところは示すようにはしています。
ただそれを親御さんが納得するかどうかっていったら、また別の話になってしまいますけれども、
やっぱりご本人の支援をしていく上で、こちらで把握出来ている選択肢は
全部ちゃんと提示したいなとは思っています。

例えば凄く鬱で気持ち的に沈んでる状態がずっと続いている方だと、
一時的に訓練を受けたとしても、これ以上はやりたくないとか、
そういうのが強めに出てきたりする事もあるじゃないですか。
この壁を越えてもらう為にやっている事ってどんな事があります?
小笠原:その壁を越えるには・・・、
その先にあるものが何なのかっていうのをちゃんと明確にしなければならないと思うんですね。
私はゴールの設定って呼んではいるんですけれども、そのゴールっていうのが就職なのか、
またその他の事なのかっていうのはそれぞれだと思うんですけれども、
ゴールっていうのをちゃんと明確にしていかなければ壁を越えられないと思うんですよね。
じゃあその壁をゴールに辿り着く為にどうすればいい?
っていうところをまずご本人に考えていただいて、
私達は脚立にもなるし、四つん這いにもなって、それを越えていけっていう話ももちろんするんですけれども、
やっぱりクライアント自身の自己決定なので、まずはご自身で考えてもらって、
ご本人が出してきたものに対して一緒に・・・、そうやって越えられるんだったら越えてみようか!
みたいな感じで一緒にその壁を越えるっていう気持ちで対応しています。

堀田さんはちょっと特殊なことをやるんですか?
プログラムの中にスペシャルがあるって書かれていたのでw
堀田:いえいえ(笑)とりあえず。だけど壁越えるの話、名言の話も通じるんですけど、
やっぱり壁越えるのが怖いとやっぱり失敗を恐れてるな・・・とか、
過去の事に引きずられているっていうのが結構多いんですよね。
だからやっぱり誰でも失敗するっていうのをやっぱり提示するというか、
そんなのもスペシャルの中で話す事があるんですけど・・・、
やっぱり成功した人ってみんな失敗してるんですよね。
だからそういうのも含めて、自分の中でやっぱり失敗することを恐れないっていうか、
そういう風に乗り越えて、乗り越えていくから成功するっていう事を知ってもらいたいっていうのもあって
今回スペシャルというプログラムを入れたりはしたんですけど・・・(笑)
だからやっぱり自覚するしかないんですよね。
周りが大丈夫大丈夫って言っても、本人は絶対大丈夫じゃない。
でもやっぱり自分で本当に大丈夫なんだって自覚すれば、それが推進力になるんですよ。
それに少しでも気付いてもらえればっていうのは、
やっぱり自分の支援としてはずっと思ってますね。

ご自分のお子さんがずっと引きこもっていたり、
そろそろ外出したり、働いて欲しいとか、そういう風に思って悩んでいる
親御さんがこのインタビューを見たとして、どんな言葉をかけたいですか?
小笠原:いっぱいありますけど・・・ 一緒に悩みましょう!かな。
もちろん親御さんだけの相談とかも全然大丈夫ですから一緒に悩みに来て欲しいですね。
特に若い方だと先に親御さんがご見学に来られて色々と就労移行の事であったり、
プログラムの内容であったり・・・、こちらがアセスメントを取られているかのような感じで、
いくつも聞きたい事をメモしてくる親御さんもいらっしゃいますからね。
一通り全てご説明させていただき、その上で今度いつになるか分からないけど、
本人連れてきますという親御さんも何人も過去にもいらっしゃいましたので
1回悩みを吐き出しに、ここに来てみませんか?って事ですね。
面談室にはティッシュが常備されていますしね(笑)

堀田さんはどうでしょうか?
堀田:そうですね。見学なり問い合わせなりしていただいた場合は、
その決断するのも凄い大変だと思いますけど、実際に来るのもそうですけど、
その決断を絶対に後悔させない自信はありますね。

かっこいい!さすが!!堀田スペシャル出ましたね!(笑)
堀田:本当に来ていただいて、それだけでも本当に第一歩を踏み出した訳なんですけど、
スマイルハートは就労移行支援なんですけど、就労移行支援らしくない部分が凄いあって、
利用者ひとりひとりにかける時間は、他の就労移行とは比べ物にならないくらいだと思ってます。
ひとりひとりの特性を合わせたり、方向性を合わせたりとか、面談をしたりとか、
お互いが納得して一緒に進むというやり方を取っているので、
そこは本当に他の就労移行とは全然違うところだと思っています。

では最後になりますが、次はご本人に向けてもお願いしたいんですが、
今現在引きこもっていたり、不登校だったり、働くべきなんだけど・・・
って、迷っていらっしゃる方にどんな事をお伝えしたいですか?
小笠原:そう言われるとかしこまっちゃって難しいですね。
いつでもお好きなタイミングでお越しいただければ対応いたしますし、
本当に私達にお任せくださいってところですね。
うちは体験利用も勿論行うことが出来るんですけど、
ひきこもって、数年経っちゃっているような方であったりとか、
就労経験がない、まだ10代の若い方だとか、親御さんと一緒に体験利用する事も出来ますので、
なのでご本人の隣におかけいただいて、一緒にプログラムを受けていただいたりも出来ます。
グループワークも勿論、コミュニケーションスキルを高める為に行っているんですけれども、
無理に参加する事なく、親御さんと一緒にどういう形でグループワークをやっているのか
見学しながら徐々に一緒に参加したりとか、その時も必ずスタッフが隣についてフォローしたりしますからね。
最初の一歩を踏み出すって凄い緊張すると思いますからね。
その心配も含めて、全て埋めさせていただきます。

堀田さん、どうですか?
堀田:もう小笠原さんがおっしゃってくださったので・・・(笑)
でも本当に第一歩を踏み出す、その勇気があれば、絶対2歩目も3歩目も踏み出せと思うので
その手助けになりたいと思っています。

終わりに・・・
人の為に何か出来ないか?を追求して、今現在の仕事に就いた小笠原さん。
優しい穏やかな空気から、日々の関わり方が感じられる。
数々の経験を経て、今に至る堀田さんもフランクな姿の奥に真面目さも見える。
全体に漂う礼儀作法のしっかりと行き届いた様子からも
利用される方をどう迎えていらっしゃるかが感じられる。
日々の姿勢、思っている事がそのまま事業所になっているんだろうな・・・
とインタビューを振り返りながら改めて思う山田なのでした。
☆小笠原さん、堀田さんのいらっしゃるところ☆
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インタビュアー:山田賢明
編集:山田香綸