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Pick up インタビュー 遊び場まんでぃ 店長 平野希

2024.07.04

遊び場まんでぃ 店長 平野希

はじめに・・・

富里市の中心地から少し離れた自然豊かな場所。
ワンちゃん達の声に迎えられながら、暖簾をくぐると
暖かな木のぬくもりを感じる店内に穏やかな笑顔があった。

老若男女問わず、様々な現実を抱えている人達が
ただただその場所の暖かさを求めてやってくる。

不登校の子達や障がいのある方々、ご高齢の方や小さな子供達、
色んな人達を包み込むその場所の中心に店長の平野さん。

この空間を作り上げた経緯も含め細かくインタビューさせていただきました。

編集長
編集長

こういったカフェをやろうと思った
キッカケから聞かせていただいていいですか?

私、元々、富里市役所に勤めていたんです。
あ、正職員ではなくて、会計任用職員という肩書きで勤めていました。
そこで、約8年前に町の中のボランティアの方々をサポートする施設が新しく出来たんです。

その時にスタートアップスタッフとしてまちづくりコーディネーターっていう役職で
人と人とをつなぐようなことをやっていたんです。

その前からお話をすると、オリエンタルランド(ディズニーランド)で
10年間サービス業をガッツリやっていたんです。
そういうところで、エンターテインメントというか、サービスというか、接客、
人と関わる事っていうのをしっかり学ばせていただいて、人と接するって嬉しいし、楽しいな、って
思っていたんですけど、あくまでもそれは「仕事」として一生懸命やっていたところもあって。

その後、ご縁があって、富里市に来る事になって、
農業研修生として、農家の真似事の様な事をしている私に、
それこそ自分よりもはるかに年上の農家さんたちが助けてくださったりとか、
おにぎり握って待っててくれるとか、みんなでご飯食べよう!って言ってくれるとか、
そういうのがとってもありがたくて・・・

日々の中で他人同士が距離感を縮めて生活していくことが、
当時、物凄く刺激的で、物凄く人生観を変えてくれたんですね!

本当は1年間の研修をやったら帰ろうと思っていたんですけど、
この経験が大きくて、居ついちゃったんですね。

でも居ついたは良いけど、野菜を売ってるだけじゃ暮らせないんですよ。
1日野菜が売れたって10袋・・・、他にアルバイトしながら、
なんとかなんとか暮らしていたんです。

そんな中、あるボランティア活動に参加していたのですが、そこで出会った方から、
「市役所でこんな施設が出来るから、そこで働けば、お給料も貰えるよ。」
って言ってくれて、え!ってなって・・・、畑仕事を縮小し、
お世話になった農家さんたちへの恩返しになるかもしれないと面接を受けました。

編集長
編集長

市役所勤めを始めて、どうでした?

私はどちらかと言うと直感、直感で動いていくタイプなんですけど、
市役所ってそうはいかないじゃないですか。直感でやっちゃ駄目だから(笑)

平等性を重んじ、国からのものを推進計画に落として、それを各部署で着実にやっていく。
事業化して、それの達成率が何パーセントか?って、数字の世界にドップリ入って、

あ~~~~っ!

ってなったんですけど・・・そのお陰で
富里の町で生活困窮や高齢化率、不登校率などが、
数字でわかるようになったんです。

当時それに凄いショックを受けましたね。
だって私、富里市に来て幸せに暮らしてきたつもりでいましたから。

お世話になりながら、おにぎり食べながら、暮らしてきた数年があったので・・・、
でも、あまりにも無知な自分に気づけたことで、恩返しの方法がより具体的になっていったんです。

まちづくりコーディネーターとしての6年間が
たくさんのまちの人たちとの出会いにつながりました。

それで、当時富里PR動画っていうのを作ったんですね。
市民の人達が主役になって町の事をお話しするっていうのをやったんです。

それ、実はお正月に見た初夢だったんですよ(笑)

で、夢の中で私、物凄い感動したんですよ。で、初の出勤日にそれをみんなに話したんです。
予算ゼロでやりたいんです!って言ったら「じゃあ企画書書いてみてください!」って
前向きな反応があったので、企画書を書いて、それが通ったので、1年間かけて町の中をぐるーっと回って、
主な出演者はボランティア団体だったんですけど、町中のみなさんで
1曲をコマ撮りしてって、踊るっていう動画を撮影編集したんですね。

今もYouTubeに上がっていますよ!ぜひご覧になってみてください!w→こちら

編集長
編集長

凄い!しっかり結果を残したんですね!
やりたいを形に出来たっていうのは大きな経験ですね!

本当にそうですね!結構手応えもあったんですよ!
みんなノリノリで1年間も付き合ってくださいましたしw

その後、丁度コロナの時、ヤバいぞって日本中がなりかけていた頃に、
今、ここの建物を建てたオーナーが居るんですけど、アトリエがあって、
私、面白いからそこに通ってたんですね。それで、ある時に

「希ちゃん、レストランの横の倉庫が空いてて、勿体ないから何かやらない?」

って声掛けてくれたんです。そこでピーンと来ちゃって!
当時は、「第3の居場所づくり」について、個人的に興味があったこともあって、

「居場所出来ちゃうかも!」

と思って、やったのが

遊び場まんでぃのゼロ地点です。

編集長
編集長

わぁ!そこでCafeの流れになっていくんですね!

はい。突然のお話だったけど、本当にこれしかない!ってそんな感じでw
倉庫片づけて、イスとテーブル置いて、
カウンターテーブルだけ作ってもらったのかな・・・。
簡単なクッキーとか、焼き菓子とか、コーヒーとか出して・・・。

で、営業日時をどうしようか・・・ってなった時に、ふと思い浮かんだのが

家にしか居場所がないこどもたちだったんです。

そして、いろいろと調べていく中で、
富里市の図書館の二階で不登校の子供達の相談室みたいなのがあるんです。
それが月曜日にお休みになるんです。

当時の相談員の方が、月曜日に子どもたちが行ける場所を探していたことを知っていたので、
じゃぁ、その子供達が来られる場所って事で

月曜日にしよう

ということで、

店名がまんでぃなんです!w

月曜日の10時から16時までは開放して、やってみようって・・・
コロナ禍でのオープンでしたので、
誰も来ないかなぁ・・・って中で始めることになったのですが、
いつ感染症が収まるかもわからない中、人と人が距離を開けて暮らしていくことに
危機感を感じていましたので、とにかく、やってみることに。

そしたら、口コミで少しずつ・・・最初はそこを散歩で通ったおじいちゃんから始まって、
段々自転車で来られるような子供達が自転車で来くれるようになったんです。

カフェのコンセプトとして、「コミュニティカフェ」という立ち位置でしたので、
子供達だけの居場所という考えではなく、子供も、大人も、両者の文化に触れることで、
なにかしら安心感や信頼関係の深まりが
生まれるのではないかと思って始めましたので、うれしい出来事でしたね。

編集長
編集長

最初の時、突然現れた居場所な訳じゃないですか?子供達って
どんな目的で毎日来るようになっていくんでしょうか?

初めはお母さんと来るんです。

お母さんがお客様として来るっていうところに付いて来てるって感じでした。

あれ?平日って事は学校は行ってないのかな?

ってなるじゃないですか。勿論、私はわざわざ聞かないですけど。
それで、なんとなく

「今度ひとりで来られたらおいでよ。お母さんがOKなら全然良いからさ。」

なんて話をお母さんを交えて話をすると、お母さんも「え?いいんですか?」ってなったりして、

「無理しなくて良いからさ。いつでも良いから、宿題とか持ってくれば~?」

みたいな感じで話したりして・・・そしたら、勇気を出してきてくれたひとりの子から始まって・・・

ただ、託児所ではないし、支援プログラムもないですし、

あくまでも飲食店として営業していますから。
飲食を注文すれば、当然お金だってかかりますし、
親御さんが何か用事を済ます為に預かる場所でもないし、
幼児保育のような場所ではありません。
子供が自分であの場所に行きたいって、そう思って来るのであれば超Welcomeします。

そうお伝えしてます。

それで、親御さんと来てくれて私と色々話したりしながら過ごすじゃないですか。
ちょっと大人な事に憧れを持ってたりするお子さんだと

コーヒー飲んで過ごしてみよっかなぁ・・・

みたいな感じで親御さんからお金もらってひとりで来たりしますよねw

編集長
編集長

面白いですね。あくまでも自発性って事ですね!
お話が少々変わりますが、【まんでぃちゃん】っていう
システムがあるそうですが、それってどんなものでしょう?

【まんでぃちゃん】

っていう当店独自のプロジェクトがあります。
ひとりでここに来る子供達を見てると、スマホを見てたり、
絵を描いて過ごしていたり、ガヤガヤしている中でそう言う好きな事に没頭出来る子はそうしてるんですけど、
中には、

「ちょっと何か手伝いましょうか?」

って言ってくれる子なんかもいて、
ある子は「将来まんでぃで働きたい!」なんて言ってくれたりするんです。
それは嬉しいなぁって話をしている中で生まれたのが、まんでいちゃんです。

SNSを通じて紹介しているのですが、職業体験みたいなもので、
お店屋さんをしてみたいという子どもたちの夢を叶えるお手伝いをしています。

お手伝いしたい人!【まんでぃちゃん】募集!

いつでもどうぞ~!ってw

【まんでぃちゃん】をやってみたい方は未就学児や小学校低学年の子が多いので、
親御さんにはしっかり説明させていただいています。

人数制限、混雑時のNG、体験時間は長くても1時間、っていう決まりがありますよ~等、
ご了承いただいた上で来てもらっています。小さな子供達が三角巾とエプロンの入った
リュックを持って楽しそうに来るんですよ。
ホント可愛いんです!!

「この扉を入ったらあなたはここの店員さんだよ!最初にどうしたらいい!?」

とか、話したりして・・・子供達ひとりひとりと向き合わせてもらってるんです。

子供達の「やりたい!」という気持ちを、このお店を通じて
叶えることができるのなら、出来るだけ寄り添いたいという思いです。

編集長
編集長

ありがとうございます。では、まとめていきますが、
このサイトでインタビューを見つけた当事者の親だったり

関係者の方にまんでぃさんから伝えたい言葉はなんでしょうか?

カフェ=大人が行く場所。
と思われがちなんですけど、遊び場まんでぃはどんな方でもOK!
誰でもどんな方でもWelcomeですよ!

是非、お気軽にお越しくださればと思います。

編集長
編集長

最後に・・・。
親にも話せず、部屋の中でたまたまこのサイトを見つけた
当事者の方にはどんな言葉を届けますか?

見つけてくれてありがとう。ご縁がありますように・・・。

ご縁があったので、気が向いたらご連絡くださいね。

それぐらいですね。言えるのは・・・。

終わりに・・・

直感を大切に、人を不自然なレッテルで見ない!

確かでいて、柔らかく、優しい姿勢が話し方や言葉から溢れ出ている
そんな印象を受けながらあっと言う間に2時間以上も滞在してしまいました。

大切なのはその人自身を感じ、しっかりと向き合う事。
別に多くを語らずとも、語ってくれる人は語ってくれるし、
何かを強要せずとも、やるべきことはみんな実はわかってる。

周りがやるべきことは、その時が来たら背を押してあげて、
戻ってきたら抱きしめてあげるだけ・・・

子を持つ親として、また、多くの人の人生と向き合わせてもらってる事もあるので
あるべき姿を改めて確認させていただいたような気持ちの山田なのでした。

☆平野さんのいらっしゃるところ☆

施設名遊び場まんでい
住 所〒286-0221
千葉県富里市七栄243‐27
営業時間・定休日毎週日曜日・月曜日・火曜日・水曜日
10時~16時
対応地域千葉県全域
対 象児童未成年成人高齢障がい者不登校
対応内容居場所
公式サイトhttps://asobibamonday.jimdosite.com/
お問い合わせ〒286-0221
千葉県富里市七栄243‐27
kurumi.monday@gmail.com

インタビュアー:山田賢明
     編集:山田香綸