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Pick up インタビュー 新浦安 あおぞら教室・相談室 公認心理師・講師 杉本元子

2025.09.10

新浦安 あおぞら教室・相談室 公認心理師・講師 杉本元子

はじめに・・・

新浦安の元小学校。
駐車場から、なんだか妙な懐かしさを感じながら校舎内へ。
太陽の光でキラキラした木の匂いのする中、
明るい笑顔で出迎えてくださったのが杉本さんでした。

カウンセリングをする部屋からは海が見えて、
包み込むような姿勢で話は自然と広がっていく。
ワクワクしながらインタビューに入りました。

編集長
編集長

海が見えて素敵なカウンセリングルームですね~。
様々な心理的なお仕事を経験した上で今、学習支援やカウンセリングなど
柔軟な活動されていますが、どうしてやろうと思ったんでしょうか?

昔、私スクールカウンセラーをしていたんですけど、
その中で、どうしてもやり切れなかったところもあって、
その出来なかったところをやろうと思って・・・この活動をしているんです。

それは何かっていうと・・・

児童相談所が関わっているご家庭ってたくさんあるんですが、
現場にホント心理職の人が足りないんです。

なかなか対応しきれないご家庭の中には、障がいとかを抱えている訳じゃない、
きちっとした能力を持っているお子さんが普通にいるんです。

だけれどもご家庭の環境によって学校に行けない、なんていうご家庭が結構あるんですよね。
ヤングケアラーとかを代表するような、お家の手伝いとかしていたりして・・・。

ご家庭に入っていくような、学校の外に出られるのはスクールソーシャルワーカーなんですけど、
私がやっていたスクールカウンセラーは外に出れないんですよね。

そういう状況にあっても、頑張って学校にやっと来てくれたりした子と、
信頼関係も作りながらやってたんですけど、やっぱりご家庭の事情でダメになっちゃったりするんです。

例えば、お母様が別の人と結婚したりして、子供を置いていっちゃった例とか・・・。
そういう感じの子が児童相談所に集まっているんだけど、お話を聴くだけで終わっちゃってたりね・・・。
そういう子達を沢山抱えていて児童相談所を責める事も出来ないんですよね。
ただ、その子の事を考えたら早めにそこはどうにかしないといけない。

私はそういうお子さんに手を伸ばしたいと思っているんです。

編集長
編集長

とても難しい問題ですよね。なかなか手を伸ばしきれないところ。
ヤングケアラー問題もそうですし、孤独な子供だったり、
そういう問題の解決ってどうしていけば出来るんでしょう?

それはね・・・そもそも、どうしてこういう問題がしっかり表に出ないのか?
というところの解決が大事だと思うんです。

保護者の方が外との関わりを遮断してしまってるんですよね。

その状態を外に見せないようにしちゃってる。だから、遮断された中で子供達は頑張ってるのよ!
保護者は残念ながらその子を養育する力を持ってなかったりしてね・・・。
仕方なく、子供達は家の中を掃除したり、料理したり、洗濯したり色々しながら過ごしてるの。

みんなひとつの問題じゃなくて様々な問題を抱えていて、
やっぱり表に自分の家庭の状態を見せたくないとか、そういう感じで保護者の方は言ってくれないし、
あるいは相談したとしても表沙汰を恐れてしまってサービスは使わない。
そういうご家庭がいっぱいあるんです。

昔、大体2年間ヤングケアラー問題に対しての支援を千葉県の船橋市でやってたんですけど、
色んなところからの情報で80件くらいそういうご家庭があるってわかったんですけど、
直接お会い出来て、お子様達と関わりを持てたのが20ケースくらいかな・・・。
そこにいた子供達も大学とかに行けるようになったり、
関わる事でそういう広がりを見せたご家庭もあったんですけど・・・。
もう少し悪い環境にいて、表に出てこないご家庭って沢山あるんです。

それが表に出るまでってまだまだ年数がかかると思ってます。

でも子供さん達に待ったはかけられない。

能力はあるし気持ちは優しい子が多くて、
そういう子達だからこそ、自分で家族を守ろうとしている。

親が全然力がなくて・・・子供が頑張るしかない・・・。
そういう子供さんを絶対、見捨ててはいけないというか・・・ごめんなさい。
個人的な思いが先走っちゃって・・・。

解決への道は難しいって事です。
少しずつ、地道にやっていくことが大切だとは思ってます。

編集長
編集長

なるほど!こもっとは勿論。ホームページも見たんですけど、
色々やってますもんね!教育支援とか、学習支援とか!
そういう理由からなんですね!

そうですね(笑)学習支援とかずっとやってきたのは、
ご相談いただいたお子さんに対してトータルに必要な事を!って考えたからこそなんですよね。

私の自慢でもあるんですけど、教え方がその子供さんの長所を理解して、
勉強が楽しくスクスク入るような、一生ものの勉強法を入れ込むのが得意なんです。
だから私が教えた子供さんってみんな凄い活躍してるんですよ(笑)
さまざまな医療系とか。東大の人と結婚した人もいるし、本当に色々。
大きくなってから私を見つけて声かけてくれる子は、どん底の時代があったけれども、
高校受験も一緒に担い込んで、受験勉強とかも応援もして、
学校も一緒に探したりもしましたし、あるお子さんも凄いレベルの高い学校じゃないけれどもずっと上位。
その学校で上位でやれたって・・・それで大学に入るって言う事で報告もらったりとかもしましたね。

あるいは大学に入れるよっていう資格はもらったけど、自分は美容師なるよって。
美容の方で仕事することになりましたとか。

編集長
編集長

教え方上手ってわかる気がします。こうやって話してても
言葉がスーッと入ってきますもんね!

実は高校時代からやってたんですよ。
昔、貧しい人達が沢山いるような地域で生まれ育ったんですけど、
周りに色んな子がいてね。受験失敗した子とか、勉強についていけない子とか、
そういう子を見てって言われれば無料で見てあげたりしてたんです。
そういう子達も看護師の看護師長になったりとか・・・嬉しいですよね。

編集長
編集長

杉本さんのルーツを知りたくなっちゃうんですけど、
そういう人助けというか・・・そういう事を
普通に出来ちゃってるのは何故なんでしょう?

それは私の家そのものも凄く貧しかったっていうのはあると思います。
父親そのものは銀行員だったんだけど、それを辞めちゃって・・・。

でも子供5人もいるわけ(笑)

で、父は宮城県の女川の産業について常にお金もないのに研究してて、
だから私達はあまり食事も与えられてない様な状況だったんです。

でも勲章もらうぐらいになったんですよね。天皇陛下から。
あと実の兄も去年、天皇陛下から勲章戴いたんです。
女川町というところで困っている方の相談を役所の窓口に繋げるのをずっとやってきた人なんです。
それと民生委員とかもやってて、犯罪を犯した方の保護をしたりとかして・・・。

家族みんな、そんなことやってるからっていうのもあるかもしれませんね。

そういう貧しい町で助け合うっていうのも当たり前だったんですよね。

編集長
編集長

そういう町で生まれ育って、人助けを当たり前のようにやってきて・・・
そこから心理的なところに行くのはどんな経緯からでしょう?

色んな子達の勉強見てたら、その子達のご家庭には問題のあるところが多かったんですよ。

中には父親に虐待を受けてて、手にギザギザのトゲトゲの・・・
戦う時に着けるようなものを着けてた子とかもいて、
虐待から逃げたりとかしてるうちにお勉強の方が遅れちゃう。

そんな風にひとりひとり、0点の多い子っていうのはご家庭に何かしらの問題があると思って

これはもうお勉強だけじゃなくて心の面もメンテナンスしなきゃいけないんだって思ってね。
それで心理の世界に入りました。

実は心理の世界に入ったのが遅かったんですよ。40代とかかな。
千葉大に入ったのなんて60歳だから!(笑)

東日本大震災の時、私の故郷の女川が津波に流されて住民の1割が亡くなったんですよね。
そこにその時、もう行かなきゃ!と思っていったんだけど・・・

その時はロジャースの来談者中心療法だったんだけど
これだとイマイチ被災者の方の心のケアがしきれなくて、
認知行動療法も入れて、バージョンアップして現地に行こうと思ったのよ。

学習が遅れている子供さんというのはご家庭に何かしらある。

だから、心の面と学習、学力の面を両立でやらなきゃいけないって思うのよね。

編集長
編集長

なかなか親御さんが閉鎖的なところから動いてくれない場合って
どういう風に対応していくべきと考えますか?

私がこうして関わってるケースは全部成功してるんですよ。
ただこのスクールカンセラーの時代は先程話した通り、動けない分、全部落としてきちゃったの。
そこにカウンセラーは何が出来るんだとか言われたら・・・

出来ないよね。そこは重く受け止めるべきよね、社会が。

今、私は自由になって色んな事が出来るから問題解決出来ない人達が
私の所に来てくれるといいなと思ってます。

でも本当にヤングケアラーも持ち出しではなかなか限界があるわよね。
本当に良い子達がいる!進んで手伝いもするし、一生懸命勉強しようともする。
けれども、普段学校行けてない、勉強出来てないから、学校に行ってもわからない訳よ。
食事もないような状態の子が沢山いるのよ!児相の子供達に対して、どうにか・・・
学力だけでも良いから・・・期間限定でもいいから・・・
この子供達が仕事に就いたりして自立するところまでだけでも

公の予算とか入って伸ばしてやると凄く良い子が沢山出来ると思う。

だって、みんな、やる気があるからね。

編集長
編集長

今、フリースクール系のところにお話を聞かせていただいたりするんですが
学習に関しての考え方も色々なんですよね・・・。
杉本さんの中で学習支援が大事だと思う理由はなんでしょうか?

そうね ・・・。今、子供達が生きていくのに学習なしでは生きていけないじゃないですか?

なんだかんだで学歴社会だし、何の資格を取るにしても基本的な学力がないと問題が出てきますよね。
そしたらどうやってその学習出来なかったものを学んでいくの?
学びたくなったとして誰が教えてくれるの?
20代や30代になってしまったら、誰が小学校とか中学校の学習を教えるのかしらって思うの。

編集長
編集長

今、サイトをご覧の方の中には自分の子供が勉強しない・・・とかで
悩んでらっしゃる親御さんもいたりすると思うんですが、
杉本さんがやる気が起こってないお子さんにやる事ってありますか?

特別な事は何もないけど・・・一緒に勉強すれば脳が凄く覚醒したことになるでしょ?
それだけでいいと思ってるんですよね。まずはそこから。

「センスがいいんじゃない!」とか感じたままに褒めてあげてね。
「凄い問題解くの早くなったね!」とか。

1時間でもやれば脳の能力っていうのは上がっていくから、それでいいのよ。

それと私、描画療法って使うんですけど1回私と話すと絵が変わるのよね。
虐待の多い子供さんだと物凄く小さな絵を描いたりするんだけどね。
私と1回お話しすると次の週にはもう全然伸びてくるのよね。
そういう色んなアプローチを使った上で、子供さんのやる気伸ばしながらやっていきます。

それでやり方も少し特別でね。
国語20分やったら別の教科やって、別の教科やったらまた前のとこ戻る。
これでまた進んでいってもう1教科。やっぱり大体2時間くらいいつもやってたんですけど、
大体3教科ぐらいになるんですけど、こうやると確実に入るのよね。

やる気にさせる言葉がけは勿論。教え方も大事なのよね。

編集長
編集長

そうですよね!ありがとうございます。
最後まとめみたいになっちゃうんですけど、杉本さんがあおぞら教室という
場所を開きながら、 目指している最終的な形ってどのようなものでしょう?

まずは、私の心配してる子供達の事に関しては、

もう本当に行政が関わらないと難しいと思っています。

私だけの力じゃ全然解決まではいけないと思うんです。

でも苦しいわよね・・・あの子たちの顔を見ると本当に放っておけないなと思っています。
こうして【こもっとちば】さんの方でご紹介いただいた方や
そちらからお問い合わせいただいた方とかと、もっともっと繋がっていけたらいいと思っていますね。

ご縁がいただけた方と、精一杯関わっていければそれで満足です。

終わりに・・・

流石、カウンセラー!というほど、
インタビューをさせていただいた僕も
気が付いたらいろんな話をしてしまいましたw

心地よい声のトーンと、静かで穏やかな空間に癒されながら、
色々な子育てに関しての悩みも話しやすいだろうなぁ・・・。
と思う山田なのであった。

☆杉本さんのいらっしゃるところ☆

施設名新浦安あおぞら教室・相談室
住 所〒279-0012
千葉県浦安市入船5丁目45-1(まちづくり活動プラザ内)
営業時間・定休日【営業日時】月・水・木 10:00~18:30
対応地域千葉県全域
対 象児童未成年
対応内容相談復学学習支援
公式サイトhttps://www.u-shimin.genki365.net/group_1362/
お問い合わせ〒279-0031
千葉県浦安市舞浜2丁目15−17
070-5518-3948
kaori.220302@gmail.com

インタビュアー:山田賢明
     編集:山田香綸