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Pick up インタビュー 清水建設株式会社「グリーンインフラ推進部」部長 橋本 純

2024.09.16

清水建設株式会社「グリーンインフラ推進部」部長 橋本 純

はじめに・・・

自然豊かな森の中、迷いながら車を走らせていると、
笑顔で手を振ってくれる女性。

清水建設株式会社のグリーンインフラ推進部、部長の橋本純さんでした。

地域の方と共に竹を切り、七夕の準備真っ最中。
その竹は東京都内のイベントで使われ、尚且つ、その後も含め
無駄なく活かされるというお話でした。

ナウシカになりたい!

名刺にそう書かれている
そんな橋本さんが自然の中で感じてる無限の可能性。
社会問題に対してそこから切り込もうと考えてらっしゃる経緯も含め
細かくインタビューさせていただきました。

編集長
編集長

ナウシカになりたい!ってまず名刺が面白いんですけど・・・w
橋本さんはこのグリーンインフラに関して推進していく活動、
どういった経緯で関わる事になっていったんでしょうか?

私、大学でランドスケープアーキテクチャーが専門だったんですよ。
日本で言うところの造園学科とか景観デザインとかに当たるやつですね。

実は私、ずっと留学したり、海外で就業したりして過ごしていたんですけど、
その中でアメリカの中学校でボランティアしていたこともあるんです。
で、そこでどういった職業に向いてるか?って適正テストみたいなの受けたんですね。
そこでの結果の中にランドスケープアーキテクトっていうのがあって、
勿論、当時は全然知らない、初めて聞く言葉で、どんな事やるかも全くわからなかったんですけど。

その後、なんか自然にデザインするようなそういう仕事に関わらせてもらって、
それをキッカケに勉強するようになって、そこからずっとランドスケープに関わってるんですけど・・・。

日本で言うところの造園とかに近い仕事だと思うんですけど、
造園って言うと、本当にお庭でカッチリ四角く切る!みたいな感じじゃないですか。
後は石庭とか、石や砂をどういう風に配置して、どう見せるか?みたいな感じなんですけど、

ランドスケープっていうのは実はもっと自由な感じで、それこそ、

自然と触れる事によって精神的にも健康的な効果がある
っていうのを前提にその空間を作ったりとか、

人の創造力を豊かにしていくような取り組みだったりとか、

そういう、自然から得られる良い影響を
如何にして私達とか、子供達にもたらすのか考えるような・・・
そういうものなんですよね。

いわゆるグレーインフラっていう例えば下水とかそういうのって一面的な機能しかないんですけど、
グリーンインフラって多機能的で・・・

精神面にとてもいい効果があったり、生き物にとってもいいですし、
景観的にも・・・とか本当に色々。

で、会社内でそれを推進する部が出来るってなった時に、
やはりその多機能的な効果を立証できるモデルケースを作るべきだってなって、
今この場所で、それこそ鬱蒼としているところを入って行って
建設会社なのに原始的な人の手で開拓して(笑)作ってるって感じですね。

でもやっぱり最初からやってると、変化も含めて自然って全て応えてくれるので
そういうのが見れるっていうのは、ホント皆さんにも楽しんで欲しいと思ってるところですね。

編集長
編集長

先程見せていただいたんですが、ホント野山を切り開いた
素敵な空間がありましたけど、あの場所を作り始めてどれぐらいですか?

4年ですねwまだまだこれからですw

編集長
編集長

今後はどんな展開を考えていますか?

やはり会社なので、会社に対してどんな風に成果を、利益を生み出せるかっていうのは勿論なんですけど、

地域の問題に対して私達がどう関われるか?
自然環境を生かした地域づくりもそうですし、

様々な社会問題に如何に関われるか?

は、常に考えているところですね。

なので、地元でほたるを守っている方々や
別のこの地域を再生させようと頑張ってらっしゃる方々と一緒に
今年(2024年)で二回目になるんですが、谷津ウォークっていうイベントをやろうとしていたり、
直接お金には結びつかないんですけど、 

とにかく、

富里市の谷津というところを知ってもらうために、
まずは自然と触れ合う機会を持ってもらう為に、色々考えてやってますw

編集長
編集長

多様性のあるグリーンインフラなんですが、
例えば、引きこもってる子供達や悩みの中にある親御さん、
また現時点で外にあまり・・・って思ってる当事者の方とかに、
自然ってこんな効果が見込めるよ!っていうのでは
どんなことがありますかね?

なんか・・・一度、引きこもってしまったり、また精神的に何か障がいを持ってしまったりすると、
就職に関してのハードルが凄く高くなってしまうような気がするんですね。

基本的に自然と関わるとか、この場所での様々な活動ってボランティアなんですよ。

ボランティアって言ってみれば、何をやっても別に良くて・・・
自分が出来る事をやれば良いんですよね。
疲れたら勿論休んで良いし、飽きたら他の人と話したって良いし、
あまり深く、重く考えず、来てもらって良いような場があるので・・・

勿論、人はいっぱいいるのでそれ自体がプレッシャーになったり、
ストレスになるって方もいるとは思うんですけど、

ある程度ハードルは低くさせてもらってると思うので、
来て接するのも自然っていうとても心にも身体にも良いものですから・・・

気軽に足を運んでもらえたらなぁ・・・とは思っていますね。

ちょっと場所が難しくて、来たくても・・・って方もいらっしゃると思うんですけど、
そこら辺も相談してくれれば、全然何とかなると思います。

編集長
編集長

実際、橋本さんが感じてる自然、森の魅力ってなんでしょうか?

私は・・・もう、

会社に居ないって時点で凄く良いんですよねw

閉じられた空間でパソコンに向き合って、ずーっと同じ事の繰り返しみたいになってしまうのが
どうも苦しいし、辛いって思っちゃうので・・・。

やっぱり外で体を動かしながら、自然の風を全身で浴びながら仕事してるって良いですし、
自分のやった事がすぐに結果として出るのも面白いですよね。
草を刈ったら見栄えが良くなった!ってわかりやすいじゃないですか!
凄い面白いですよね。そういうの。

後は音ですよね。都会とかオフィスの中だと、静かにしなきゃいけないって感じあるじゃないですか。
ああいうピリっとした感じがないのが良いですよね。

ここだとちょっとしゃべってたとしてしても、
他の鳥の声とか、川のせせらぎとか、森の音があるのでw

編集長
編集長

なんかデスクワークとか働くハードルのところを
橋本さん自身も強く感じてる様に聞こえたんですが、
そもそも何故、今の会社に勤めようと思ったんでしょうか?

ランドスケープを学んで、日本に帰って来てからもランドスケープやってたんですけど、

凄い大変だったんですよ。

まず、正社員になれなかったのもそうですし、毎日夜中まで働かなきゃいけなくなったり・・・
あと上司が二人いるような状態になっちゃって、
こっちの上司の言う事を聞くと、あっちの上司が立たなくなり・・・、
みたいな感じの事が続いてて、

もういいやっ!辞めちゃえっ!

って思ってる時に、清水建設の方を紹介していただいて、
もう辞めるつもりだったし、ちょうどそういうタイミングだったので・・・はい。

編集長
編集長

辞めちゃえっ!ってところから、清水建設さんに移ろうって思った
決め手は何だったんでしょう?

自由だったっていうのが大きいですかね。

それと、私、割と飽きっぽいんですけど、丁度、飽きないタイミングで色々あるというか・・・
契約から始まって、社員になって、社員になったら役職が付いて、役職が付いたらグループ長になって、
そっからまた部長になって・・・役職とかが変わるとやる事も変わるじゃないですか。
慣れるのに大変だ!って思ってたら、あっと言う間に今に至ってるという感じですね。

でも、そんな感じでやってきて、今では優秀な人達が下に付いてくれて・・・
ホント、ありがたいなぁ・・・って・・・

いつ辞めても大丈夫?みたいなw

編集長
編集長

なんかこういう人間らしいお話、凄く力になる方多いと思うんですよね。
今、引きこもってたりする人やその関係の方ってやはり現状を責めていたり
どうしよう・・・ってところで何も出来ないでいると思うので。
割とジプシーな印象の橋本さんの学生時代ってどんな感じだったんですか?

日本で短大出て、そっからアメリカ行って4年やって、日本に1回戻って来て、
大学院でまたアメリカ行った感じなので、一般の日本で大学出て・・・っていうのとは
全く違う感じで生きて来ちゃったというか・・・w

アメリカって入るのは簡単なんですけど、出るのが大変で・・・
とにかく、勉強してたんじゃないでしょうかね(笑)

編集長
編集長

あ~、学生時代からやっぱり、周りと同じところで落ち着いてるというより
なんとなく、自分が思ったところへ自由に動いていた感じですかね。

そうですねw

そこに元々持ってる飽きやすさもあったので、親からの指導もありつつ、
いつも対策していくような・・・w

編集長
編集長

そうなんですね!橋本さんの自由な感じは
親御さんの方針でもあったんですかね?

そうですね。

留学とかしたいならしてもいいけど、何を目的にするのかは
ハッキリさせなさいよ!という言葉掛けはありましたね。

でもホント、教育に関しては寛容で、やりたい事をやらせてもらいましたね。

編集長
編集長

そんな自由人な橋本さんにズバリ!今、自由に考えられない・・・
八方ふさがりになっちゃってる不登校や引きこもりの方々に
橋本さんから何か伝えられる事はありますか?

難しいですね・・・凄く無責任な感じになってしまうかもしれませんけど・・・

意外といけるっ!って思っちゃった方が良いと思いますw

私、転職して今の清水建設で8社目なんですよ(笑)
何か違うなぁとかストレスがかかるような事があったら、転職ばっかり繰り返してきて、
面接の時にもそりゃあ突かれたりもするんですけど・・・w

人生って一度きりじゃないですか。

だから、我慢して、心を疲れさせて、そうまでしてやらなくたって、
生きていれば、やり直しは何度でも出来るのは事実だと思うので・・・

だから、

意外といけると思いますよ!(笑)

編集長
編集長

(笑)やってみたら何のこっちゃないって事ありますもんね。
とはいえ、人と違う道、転職も含め、飛び出す事も勇気がいると
思うんですけど、その一歩って橋本さんはどうやって踏み出してますか?

もう単純ですw

この上司が嫌だ!とか、この人と後どれぐらい一緒に働けるだろうか・・・とか、
そういう事を考えて、

無理だ!って判断出来たら、もう無理なんでw

後は、アメリカなんかでは転職したら給与が一気に上がるっていうのが普通なので、
転職自体に全然抵抗はないっていうのもありますよね。

大学院まで出て、アメリカで働いたりしてて、日本に帰って来た途端に
派遣社員とかアルバイトでしか働けない・・・とか、その現状を知った時に

日本って何なんだっ!?

って悩んだ時もありましたけど・・・。

色んな人に自分の状況を話したりしたら、こういう仕事あるよ!みたいな感じで
紹介してくれたりして、その結果、今があったりするので・・・

モヤモヤしていたら、とりあえず誰かにそれを吐き出してみる。
そこから繋がる事も沢山あるので、人を頼るのは大事ですよね。

自分の中で考えてても、全く問題解決に行きつかないんですよね。
納得いくようなものを見つけたとしても、なんだか腑に落ちないままだったり、

だから、色んな人の意見聞いたりしながら、
これだっ!っていうのを見つければ良いんです。

そうしたら

超えるのを躊躇するようなハードルなんて無いに等しいと思います。

編集長
編集長

最後に自分のお子さんが不登校、引きこもりになっちゃってる
当事者の関係者の方々にかけられる言葉を何かお願いします。

私、子供がいないので、なんだか軽い感じに聞こえちゃったら申し訳ないんですけど・・・
うちの犬も私がソワソワしていると、それを感じ取って一緒にソワソワしたりするんですよね。

保護者の方もどうしたらいいんだろう・・・とか
ソワソワしたり、不安がったりしてしまってると思うんですよ。

でもそれがお子さんに伝わってしまったりすれば、
お子さんは更に焦ったり、絶望したりしてしまうと思うんですよね。

なので、

生きていてくれさえすれば良いや!

みたいな想いで、ちょっと開き直って、
「ご飯食べる?」とか「映画でも見に行く?」みたいな感じの
開き直り方をすると・・・

安心してくれるんじゃないかなぁ・・・

子供ながらに今現在の自分の状況を、やっちゃいけない事をしてるような、
申し訳なさや不安感を抱えて生きてると思うんですよね。
みんなと違う道を歩んでしまってるって自覚はあると思うので。

でも極端な話。

大学行きたいってなったら、頑張って勉強すれば進学先なんていっぱいあるし、
別に日本で大学行く必要だって無いし、
本当に頑張りたいって思ったら、取れる奨学金だっていっぱいあるし・・・

ホント道はいっぱいありますから!!!

とりあえず、お子さんが自分のやりたい!を見つけられるまで、

生きててくれたらそれで良い!って想いながら
一緒に遊んでても良いんじゃないかな。

森なんか良いですよ。ちょっと土を触りながら汗かいたりするだけで凄くスッキリしたりしますし、
私、コロナになって家にしばらくいなきゃいけなくなって、
活動に参加できなかった時があったんですけど・・・、

妙にイライラしていたみたいで・・・w
私の旦那にツッコまれてw

やっぱり外に出て、土を触ったり、自然と触れて、癒されていたんですよね。
皆さんにもそんな体験をしていただければ良いかなと思っています。

終わりに・・・

木々のざわめき、暖かな土の香り、遠くの鳥の声、
水の流れる優しい音・・・

そんな中で自身の紆余曲折も含め笑いながら話してくれた橋本さん。

学校行かねば!とか、就職せねば!とか、
こうあらねばならない!に縛られて、苦しんでる人達が
この大自然の中で時間も忘れて笑う事が出来たら、
きっと、全ての悩み事がちっぽけなものに感じられるのではないかと、

人が元々求めているものの全てはやはり自然の中に当たり前にある
自身が癒され、そう感じる山田なのでした。

☆橋本さんのいらっしゃるところ☆

施設名八ツ堀のしみず谷津(千葉県富里市)
住 所・活動拠点:しみず谷津(千葉県富里市)
・千葉県富里市の立沢区公民館に集合後、その近辺にある休耕田で活動します。
※活動日についてはお問合せください。
対応地域千葉県全域
対 象児童未成年成人高齢障がい者不登校
対応内容居場所
公式サイトhttps://www.shimz.co.jp/greeninfraplus/shimzyatsu/
お問い合わせ活動日時やご見学については上記、公式サイト、
または『お問い合わせ』ボタンより、お問合せください。

清水建設株式会社
〒104-8370 東京都中央区京橋2-16-1
月曜~金曜(祝日を除く)午前8時30分~午後5時10分

インタビュアー:山田賢明
     編集:山田香綸