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Pick up インタビュー 認定NPO法人ニュースタート事務局 理事 二神能基さん スタッフ 久世 芽亜里さん

2022.08.15

認定NPO法人ニュースタート事務局 理事 二神能基さん スタッフ 久世 芽亜里さん

はじめに・・・

卒業生の就職率が脅威の95%以上!

引きこもりなどの社会問題の解決に直球勝負!

世間に話題を生んだ「レンタルお姉さん®・お兄さん」という訪問活動など、
他の事業所、事業者がなかなか臨めない活動を全力で行う
認定NPO法人ニュースタート。

今回はその理事である二神能基さん

また著書である「コンビニは通える引きこもりたち」にて
この問題に関して世の中にメッセージを送っている

スタッフの久世 芽亜里さんにインタビューさせて頂きました。

編集長
編集長

引きこもり問題に取り組もうと思ったきっかけについて教えてください。

二神:約30年前に目的喪失の若者を集めてイタリアに送るということを7年やっていたんだけど、
その時日本から送った若者の中に引きこもりもかなりいてね・・・当時は目的喪失の人と思ってたけど。

結局(その若者がイタリアから)帰ってきて元気になるんだけど・・・
日本にうまくソフトランディングができないってことが起こって、
彼らをちゃんと日本でソフトランディングさせなきゃということで
日本の事務局が始まったんです。

イタリアに送った時のイタリアの団体には「家族をひらく」という文句があって、
それは「一人の若者を育てるためには二人の親では足りない」「多くの人との関わりを持たせよう」
という考え方でね。僕もいたく共鳴してそこに若者を送っていたんです。
日本側の事務局のコンセプトはそこからです。

やってみると、ワーッと引きこもりの子が来てね・・・その流れで引きこもり支援団体になったんですよ。
最初引きこもりの方を支援するという考えは別になかったんです。

目的喪失の若者を支援する

ってのが始まりで。

編集長
編集長

必要にかられて、なんですね。
久世さんは何故こういうところで働こうと思ったんですか?

久世:事務系の手伝いでっていうところからなので・・・引きこもりになにかっていう意志はなく。
元々こういった仕事に興味とかもあったとかでもないんですよね。

今コラムを書いているのも、HPとかの更新などもできたので、やっているうちに・・・
コラムとかそういう文章的なものも必要だよねということで「じゃあ自分で書くか」って感じです(笑)

引きこもり支援に情熱がないまま入って、
でもここでみんな普通に元気になっていくのを見るじゃないですか。

で「外」を見ると「あれ?」っていう感じになって「外は何をしているんだろう」って思うことが
ちょこちょこ増えて、ちゃんともっと熱心に発信しないといけないなぁって気持ちに段々なってきました。

編集長
編集長

外の支援に関して色々想うところがありそうですが、
外の支援をどう感じているんですか?

二神:今問題になっているのは引きこもりの長期化なんですよね。
内閣府がこの前出した113万人っていう数字のうちの半分以上はもう7年以上の引きこもりだと。
30年以上の引きこもりが3万6千人もいた。長いんですよ、引きこもりがね。

長引いている引きこもりの子を抱えている親に対して

「焦るな」っていうようなことを多くの支援者は言うわけですよ。

あんなこと言われるとますます長期化しちゃうんですよね。

そういう問題じゃないでしょう!

っていうことですよ。

安心させるためなのか、不用意なアドバイスに感じてね・・・

それは支援とは言えないよ。

長期化の問題にどう取り組むかもっと真剣に考えなければいけない。

「信じて待つ」みたいな、本人が動き出すのを信じてもうちょっと様子を見ましょう。
みたいなアドバイスに基本的になるんです。
それが長期化を助長しているように僕は思っているんです。
もうそんな時代じゃないんだよ!ということですよ。

編集長
編集長

そうなんですね。
外と比べて逆にニュースタートさんではどうしてよくなるんでしょう?

久世:環境があるっていうのもやっぱりあると思うけど、どこまで踏み込むかだと思います。

一般的には踏み込めないようなところまで、
ここは普通に踏み込ませていただいてますからね。

本人が「NO」と言っても私達は行きますし、あとは・・・安易に「安心」させる声がけをしません。

外を見てて思うのは親だとか本人を安心させようだとかで動くじゃないですか。
でも「不安」って動く理由だと思うんですよ。

そこをなんとなく誤魔化して安心させようとするのはどうなのかなって。

二神:イタリアから学んだんだけど、本人をディプレッションに追い込め!と。
スペースいっぱいに追い込まないと動き出さないよ。ということで結構ぐんぐん押すんですよ。

編集長
編集長

皆さんが避けるって事は理由があるんだと思うんですが・・・
実際ニュースタートさんで追い込んでいく中で

問題とか起こらないんですか?

二神:いやその、追い込まれるからね。ブツブツ言う人はいるよね(笑)

無視して追い込み続けると、最後にはなんとなくできるよ。

編集長
編集長

無視して追い込み続けるってすごいですね!(笑)

久世:ちゃんと自分が自立できて、自分の生きるペースができれば
「あれでよかったのか」ってだいたいみんな思うんですよね。

編集長
編集長

あ~、人ってやったことないことだから、
やりたくないっていう心理があるんですよね。
でもやってみてうまくいっちゃえば、それが事実ですもんね。

事実に勝るものはないですね!!

二神:ニュースタートは色んな経験をさせることを非常に重視していくわけです。

まず「家を出る」。家の中にいるとホントにどんどん孤独に追い込まれていくんですよ。色んな刺激がないから。
それでまず家を出して、それでうちの場合は寮があるから寮に入れちゃって、寮の中で
同じような世代の人達と深い交流をしていく、それと色んなイベントに参加してもらったり、
色んな仕事をやってもらったり、とにかく色んな体験をさせていく。

その色んな体験がカウンセリングの中身を変えていくわけじゃないですか。
カウンセリングだけしていてもなかなか変わらない。

編集長
編集長

認知行動ですね。やはり行動させないと、ですね。

二神:色んな行動を体験させることを重視して、どんどんやらせていく。そしたらみるみる変わっていくよ。

編集長
編集長

やったことない事に恐怖を感じる親御さんに入りこんでいく、
コツはなんでしょう?

二神:もうそこは諦めている。うちに相談に来る親はホントに一部だよ。
あんなやり方をするのはいかん!と思っている親が多いから。

そういう親は・・・うちに来ても不満に感じるだろうから・・・
ご遠慮いただいた方がいいかな。

編集長
編集長

なるほど!そもそも問題を本気で解決したい方と向き合うって事ですね。

二神:自立したいってちゃんと思っている子・・・おいでと。
親もちゃんと自立させたいと思っているから、ここに来るんだよね。というスタンスだから、
そうじゃない親は・・・自然と・・・来ないでしょうね(笑)

編集長
編集長

なるほど!
スタッフさんもそういう理念に感銘を受けてって事になるんですね。

久世:そうですね。なってますね。うちみたいなところを求める方の力になるって感じです。

編集長
編集長

それぐらいの方がわかりやすくて、気持ちいいですよ(笑)

久世:様子を見始めた後は、ご本人とはそりゃ色々とあるのは当然なんですよね。
けど、親御さまはご納得のうえでの依頼なので。

色んな事を体験、経験してもらう、私達はそこに力にならせていただくだけなんです。

編集長
編集長

日本全体の問題として、
この引きこもり問題はどうすれば解決に向かっていくと思いますか?

二神:今引きこもりの長期化を話してきたけど、引きこもりの多様化っていうのもひとつ大きな問題がある。
年数も、理由も、性別も様々ですからね。今朝もテレビでやってたけど・・・
昔は就労体験のない不登校からが多かったんだけど今の引きこもりの8割が就労体験があるんですよ。
そんな感じで昔と違ってきているし、後は家から全く出ない引きこもりって実は12%程度で、
あとの88%の子は出るんですよ。買い物に行けたり、趣味の会に行けたり。

そういう意味で引きこもりの状況も様々だからね。それに対して多様な対応がいるんです。
うちはその一部をやっているに過ぎない・・・

編集長
編集長

そうですね。その多様性が求められる中で、前線にあるべき窓口が
混乱している節が行政などには特に見えるんですけど、
その辺ってどうすれば解決すると思います?

二神:僕は引きこもり支援は行政は向かないと思うよ(笑)やっぱり有限的な対応しかできないわけだから。
今みたいに多様化した引きこもりには、行政側も多様化していこう。
っていっても無理だと思うよ。

だから僕は行政の支援については
一切関心ないもん(笑)

編集長
編集長

流石です(笑)問題解決に出来る事、直球勝負ですね。
お話伺っていく中で支援者側の問題も大いにあると感じますね。

二神:今やはり支援する側が非常に弱い!引きこもりを支援してるっていうけど、
引きこもりの長期化を支援してるところが非常に多いんだよね。あれは引きこもり支援かねと僕はいつも思うの。

引きこもりを長期化させてるだけじゃないかと。

実績を全然上げられていない。悲惨な状態。それについての反省がなさすぎる。
そう想いたいんだろうな・・・結果が上がってる!と。
だから反省する思考が生まれない。

久世:周りも行政とか見ても想いますね。会えて2割とか言ってますからね行政も。
ってことは1割会えたら自分は頑張っているかなとか、たぶん思えちゃいますよね。
指標自体が低いんですよ。

だから、解決に向かってると
信じる事が出来てしまうんです。

編集長
編集長

ありがとうございます。話が尽きないところでまとめてしまいますが、
支援者側の問題も多々ある中で問題に

直球勝負してらっしゃるニュースタート事務局さん。
ご家族や当事者の方へのアドバイス!こうしてみて!って事を最後に!

二神:うちは家族をひらくってのをコンセプトにしていますが、
やっぱり家族を開いて他者をかませるということが非常に大事だということを僕らは盛んに訴え続けていますよ。
だからうちらが訪問活動でレンタルお兄さんとかお姉さんとか出してるけど、
あれは家族をひらくというコンセプトだったら当然出てくるんですよ。

信じて待つのはやめて。
信じるなら背中を押してみて欲しいんです。

そこを切り替えないと問題解決しない。

久世:たぶん一番身近で支援とか頼ろうとすると行政とかになると思うんですけど・・・
やっぱり、基本的には行政は引き気味の支援になると思うんですよ。それがまた親御さんには心地よかったり・・・

編集長
編集長

共感してもらえたりしますもんね。

久世:でも、やっぱり一定の年数でダメだったら、「次」って動こう。っていうのを言いたいですよね。

親子を分けて、とにかく体験の機会を持たせる事。
親元にいるとやっぱり難しいっていうのはありますから・・・

こういうところが訪問して何か刺激を与えたところで、
一番長く時間を共にするのは家族なので、家にいると戻ってくるんですよね、だんだん。

二神:やっぱり大きくはね、今の環境が引きこもりを長引かせている。環境をガラリと変えること。

久世:親子神話みたいなのと30年戦ってきたものだと思う、二神にとっては。

二神:やっぱりその子に合わせた指導というのを考えないといけないよ。

終わりに・・・

日本の引きこもり問題の最前線で活動し続けたその熱を
インタビュー中でない時間にも全力で語ってくださった二神さんと久世さん。

うちは他の事業者が出来ない事をしている。

うちが出来ない事を他の事業者がしている。

連携も含め、横の繋がりがこの問題解決の鍵とまとめてインタビューを終えました。

問題解決に直球勝負!
そうして向き合ってきたからこその説得力を感じる時間でした。

☆二神さん久世さんがいらっしゃるところ☆

施設名認定NPO法人ニュースタート事務局
住 所〒272-0122
千葉県市川市宝2-10-18
ニュースタート行徳センター
営業時間・定休日電話受付時間10:00~17:30

お休みは(日・水・祝)になります。
対応地域千葉県全域
対 象未成年成人障がい者不登校
対応内容相談訓練リハビリ就労居場所居住
公式サイトhttps://www.newstart-jimu.com/
お問い合わせ電話受付時間10:00~17:30

お休みは(日・水・祝)になります。

TEL:047-307-3676

インタビュアー:山田賢明
     編集:山田香綸