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Pick up インタビュー フリースペースFrog Flag 新堂早代

2023.04.20

フリースペースFrog Flag 新堂早代

はじめに・・・

田舎の景色と穏やかな空気が広がる長南町。

ワンちゃん達が自由に走り回れるような広い芝生。
散歩の飼い主さん達の笑い声に交じって
子ども達が自由に遊ぶ声が聞こえる。

その中心で穏やかに子ども達を見守り、
笑顔で声をかける女性がいます。

不登校の子ども達のフリースペースFrog Flagの新堂さんです。

彼女のお話を伺わせていただきました。

編集長
編集長

こう言った不登校の子ども達の居場所、フリースペースを作ろうと
思ったキッカケはなんだったんでしょうか?

キッカケは自分の息子ですね。

やっぱり学校に行かない、本人にとっては行けないって言ってましたけど、
親として、こんなにしんどい事なんだな・・・って、本当に・・・
今まで生きてきた中で類がないぐらいしんどくて・・・

学校って言う、行って当たり前のところ・・・自分が子どもの頃、疑いもしなかったところに、
ある日突然、行かないって自分のどもが言い出して・・・
それこそ、怒ったり、脅したり、なだめすかしてみたりしても、行かない。

その現実と自分の中の理想との葛藤が本当に大変で・・・。

実は今もちょっと続いてるんですけど・・・

編集長
編集長

今ってお子さんはおいつくなんですか?

今は、中学1年生です。

この子が小学校4年の時に行きたくないってなったんです。

編集長
編集長

今も不登校が続いてるとおっしゃってたんですが、
その親としてのしんどさ、つらさは今はどう処理されているんですか?

子ども達の居場所づくりをする中で得た事が大きいですかね。

わかってはいたんですが、やっぱり自分と子どもは違いますし、
本当の意味で子どもの事を理解してあげるっていうのは
なかなか難しいんだろうっていうのが腑に落ちて来たっていう感じで・・・、

ただ、本当にひとつだけ確かに言える事は、子どもがこうだ!って決めてしまったら、

どんなに親が諭しても、どんなに動いても、言葉をかけても、子どもは動かない。

そういう風に思います、実感として。

そんなことよりも子どもが安心して過ごせる場を作ってあげる事が
一番子どもが動きたいと思う近道なんだって思います。

編集長
編集長

何故、ご自身のお子さんだけではなく他の子も見よう!
って思ったんですか?

元々、京都から引っ越してきたんですけど、京都では障がいのある子もない子も一緒に遊ぶ場づくりをしていて、
そこで、知的障がいのある人対象に、フリースペースとかもやっていた経験があったのと、

子どもが適応支援教室とか色んなところに子供を連れて行ったんですけど、
子どもに合わなかったんですよね。

やっぱり家にいるよりは何処でも良いから誰かとコミュニケーション取れる場っていうのが
あれば良いな!と思ってて・・・無いから・・・作っちゃえ~!って感じですね。

今日、たまたま私の子どもも来てます。
本当にたまにしか来ないんですけどねw

編集長
編集長

わぁ!キッカケである息子さんが今もしっかり通われてるんですね。
ちょっとプライベートなことですが・・・

息子さんが学校に行けなくなった理由ってなんだったんでしょう?

それが、理由がわからないみたいなんですよ。本人も。

それが一番苦しいんだと思います。

こっちは一生懸命理由探すじゃないですか?

で、長時間かけて色々絞り出してもらったら、
友達関係で嫌な子がいる。っていうのを言ってくれたり、
あと、担任の先生とも・・・ちょっと・・・色々あったみたいですね。
「あの担任の先生なら僕学校いかない!」って言ってましたから・・・。
そのふたつがあったので、じゃあ、学校変えようか?っていうので引っ越したんですよ。

だから、息子の不登校をキッカケにこう言う活動も始めたし、転校もしたって感じですね。

流れとしては、京都から東京へ。で、東京で関西から転校してきた。っていうので馴染めなくて、
今の千葉に来たっていう感じです。

編集長
編集長

ご自身の実感から立ち上げたフリースペースなんですね。
この居場所は子ども達にどんな影響を与えてますか?

凄い本当に子ども達の目、輝きが全く変わるんです!

短い時間の中で明らかに変化があるんですよね!

そこにあるカフェでの注文も最初はみんな出来なかったんですよ。
でも今では・・・やりすぎってぐらい普通に出来るようになってて・・・

みんな生き生きするんですよね。

誰とでも仲良くなれちゃうんですよ。

そういう力があるのに、学校っていう場所だと萎縮しちゃってて・・・
この場所の自由さ、安心感がそれを解放させてるのかなぁ・・・。

編集長
編集長

学校が安心できない・・・家が安心できないってなんなんでしょうね?

休んで良いよ。

っていう空気がないんですよね・・・どこにも。

私もこう言う活動する前はそうだったんですよね。
理解が出来なかったんです。

なんで行けないの!?ゲームばっかりやって怠けてるんじゃないよ!

ってそういう気持ちになっちゃってたんです。世間一般と同じ目線というか・・・

でも、こういう風にみんな普通にコミュニケーションが取れてて、
それを見てたら、学校行ってそれが出来なくなっていくよりも

学校以外のところで人として大切なことを得ていってもらえたら
それが一番良いんじゃないか・・・って思えるようになったんですよね。

本人がやりたい!って思う環境が大切なんです。

無理矢理やらせてその環境を壊してしまう事の方がかなり怖いんですよ。

編集長
編集長

とはいえ、親として不安が拭えない方もいると思うんですが、
そういう親御さんにはどんなお話ししていくんでしょう?

そうなんですよね・・・その安心を得る為に色んな事をしている方もいるとは思うんですけど、
私は誰かと話したりして、共感してもらったりして、孤独じゃない事を実感出来たのが大きかったです。

専門家の言ってる事はあくまでもひとつの意見でしかないので、
参考になる事ばかりではないんですよ。

答えはない!
ホント答えはないんです。

それを見つけていくのは、親、子の関係性の中でしかないんですよね。

考え方を広げて、凝り固まらない事が大切なんです。

親もつらくなるとどうしても親の不安を子どもに投げちゃって・・・
そんな事されたら子どもだってたまらないんですよね。
やっぱり問題なんだ・・・って不安になるじゃないですか。

だから、そばにいる親が不安にならないように、それを子どもにぶつけないように、
気をつける努力は必要なのかなって思います。

編集長
編集長

そうなんですよね・・・新堂さんはどれぐらいで
(取るべき姿勢に)気付きました?

そうですね・・・実はこのフリースペースを始めた2年前もずっと泣いてましたw

保護者の人が見学に来る度に泣いてましたね一緒に。

なんでかって言ったら、あの当時は子どもの事を責めまくった後だったので
子どもに対して申し訳なくて・・・というのもありましたし、
うちの場合、その為に転校したりとか、引っ越したりとかもしましたからね。

「何の為に転校したと思ってんねやっ!?」

みたいなやりとりが散々あったので・・・

そういうのが自分の中で申し訳ない・・・という想いが強かったので・・・
ここを立ち上げながら、徐々に姿勢が出来ていったって感じですかね・・・。

編集長
編集長

そういう相談される保護者の方ってどういう流れで
ここに通わせよう!って決断するんでしょうか?

保護者も勿論なんですが、子ども達ですかね。

子ども達が「ここに通いたい!」って言ってくれて、初めて保護者の方もここに是非!という感じが
殆どですかね・・・。

だからホント、子ども達はよく、ここに来てくれたなぁって
嬉しく思いますよね。

以前、保護者の方に言われたのが、

「新堂さんは子ども達と同じ目線にいる。」って、

決して上からでもないからこそ、
子ども達が警戒心もなくスッと入ってくるんだろうって・・・

私は色々出来るタイプじゃないので、子ども達の方が色んな事に気付いたりもするので、
その度に「あ!ありがとう!」とか「ごめんねー。」とか、言ってるもんだから、
それを見て、保護者の方も自身の接し方を変えてみた、なんて事もあるみたいですね。

編集長
編集長

謝れない大人も多いですもんね・・・

うん。そうなんですよね。だから、普通に謝ったりしてる大人の姿が
子ども達に良い影響を与えてるんじゃないかって親御さん達が言ってくれてるのは嬉しいですね。

そんな大人に出逢った事、事態が宝物だって。

編集長
編集長

そうなんですね。子ども達がのびのびされてるのは見てわかるんですが、
親御さん達はこういう場に出逢ってどんな安心を得てますかね?

やっぱり子どもが元気なんですよね。

きっと帰ったら色んな話してると思うんですよね。

それは学校に行ってる頃は無かったんじゃないですかねw

ここは何するって決まっていないので、家でみんな考えてくるんですね。
こないだはなんか道具箱持って来てみんなでなんか作ってましたねw

だから、自分で楽しい事を作ってるって感覚があるんじゃないでしょうか。
学校ではそういうのが無いんですよね・・・。

編集長
編集長

現在悩んでる親御さんに何かお伝えしたい言葉はありますか?

とりあえず、本当に苦しかったら・・・未来を見るの止めてみましょう。

今を見つめる事がとても大事だと思います。

今を見ないで、未来の不安ばかり見て、つらくなってしまっていたら、
どんどん今も壊れていっちゃうんですよね。

今が楽しくて、幸せで、過ごせていたら、未来だってそのまま笑っていけるじゃないですか。
だから今、幸せだって思える生き方をしましょうよ。って言いたいですね。

あと、もうひとつ思うのは・・・

今見てる子どものまま、未来にはならない。

だって、私達だって、小学校時代に今の自分のようになってるって
想像もしてなかったじゃないですか?

だから、未来を決めちゃ駄目なんですよね。

何もしていないように見えて、ゲームやYouTubeから色んな事を学んでいるんですよね。
そういうものが駄目なんだ!!じゃなくて、そういうものがあるから・・・って言う考え方が
とても大事なんですよね。

大人が見えてる世界を子どもに見せようと思っても、子どもには見えてませんから、
それを強要してもおかしくなるに決まってるんですよね。

あと・・・

学校の勉強が出来ないからって人として駄目って訳じゃ無いんですよね。

そういうのは絶対に親が思っちゃいけないですよね。

その勉強が出来ないって言うだけの事なんですよ。
だから、子どもの自信を大人がそんな事で摘んではいけないんです。

編集長
編集長

確かに!だって使ってないですもんね。学校の勉強って。
そんな事で子どもの成長を諦めたり、妨げちゃいけないですよね。

本当にやる気になったら生きる為に必要な知識なんてすぐ取り戻せるんです。

掛け算さえ出来ちゃえば、それだけで色んな事がわかっちゃったりするんですよね。

変にやらせようとして、喧嘩して、
変になっていくぐらいだったらやらない方がいいですよ。

必ずその子のやりたいようなやり方があるんです。
だから、それが見つかれば良いんです。
親がやるべき事って「字が綺麗だね。」とかそれだけなんですよ。

出来た事を褒めてあげるだけで全然良いんです。

私の話なんですけど、娘がこないだ、英語全然駄目だったんですけど、
突然「母勉(母と勉強)したい!」って言いだして、単語帳渡して来るんですよ。
で、問題出してくれれば良いって言うんで、言われた通りしたんですよ。

後は「凄いね!」「もう覚えたの!?」って言ってただけなんですけど、

英語のテストで70点取ってきて、

「お母さんが言ってくれたからだよ。」って言ってたんですけど、

いやいや!あなたに言われた事やっただけだから!!って事なんですけどね。

娘はそうやって伸びましたからね。

編集長
編集長

たまたまこの記事を見つけた当事者、今、引きこもってる、不登校の
子ども達にはどう伝えたいですか?

難しいですよね・・・環境変えられませんからね・・・。

親に逆らえない環境にある子もいると思うんで・・・。

難しいなぁ・・・。

話せる人、場所を見つけてください。

って事かな。

私の息子とかも、保健の先生に話したりもしていますし、
私にも言えないような事をきっと話していると思いますし、
そういうのが大切なんですよね。

いのちの電話でも何でも良いし・・・。

でも本当に難しいですよね・・・、

小さければ小さい程、逃げる事は出来ないですし・・・
半端に関わってしまうのも無責任になってしまいますしね・・・。

私のところに頼っておいで!って諸手で言えないのもつらいところですよね。

終わりに・・・

ご自身の家庭に起こってる悩み事から、
寄り添ってくれるところを作っていく新堂さんの考えに触れながら・・・
インタビュー中も子供達が笑いながら話しかけてくる様子に
子供達の自発性が育つ場ってこういうところなんだよな・・・と
改めて実感させていただきました。

少しでも多くの悩み事を抱えているご家庭が、
あ・・・今はこれでいいのか☆
と思っていただけるそんな力になれればと
自身も不登校のお子さんを抱える当事者として、
力強く語る暖かな場、関わりを感じながら、
これからの活動の継続を祈らずにいられない編集長なのでした。

☆新堂さんのいらっしゃるところ☆

2023年4月に閉所されました・・・。

現在新たな動きの準備中・・・。

電話番号は生きています。

ご相談はTELにて。090-8260ー8224

インタビュアー:山田賢明
     編集:山田香綸