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Pick up インタビュー 不登校ラボ「アッタナラ」研究員 及川恵、Kay、三島万里子

2023.09.19

不登校ラボ「アッタナラ」研究員 及川恵、Kay、三島万里子

はじめに・・・

障がい福祉の関係から及川さん。
子育てと仕事の両立、女性の社会参加の方面からKayさん。
不登校の相談という現場から三島さん。

様々な現場で活躍していた3人が中心となり、
立ち上げた不登校ラボ「アッタナラ」

どんな想いで立ち上げ、どんな実感を今得ているのか、
社会問題に直結する活動を赤裸々に語っていただくべく
インタビューさせていただきました。

編集長
編集長

アッタナラさんのこの活動を始めた経緯はどんな感じでしょうか?

及川「元々三人とも別々の活動をしていたのですが、三島さんが船橋市で不登校カフェをやっていた事、
私の方では就労支援、働きたいけどもう一歩・・・という方の支援をさせていただく中で、学校に行けない方、
行きたくなくなった方の支援も必要だなっていうのがわかってきました。
また、その流れの中でKayさんが何か地域に携わる活動をしたいと
私を訪ねてきてくれた所からこの活動が始まります。

Kay「私はママ支援がしたいという思いがあり・・・何か出来ないかなぁと思っていた所で
及川さんに逢いに行ったんです、そうしたら及川さんからこういう活動を始めたいと思っているの!と
丁度、タイミングよく言っていただけたので・・・。

及川「Kayさんは企業で働きづらい人を支援するには、現場がわからないと
支援の方向性がとんちんかんになっちゃうと言って、私を訪ねて来てくれたんです。
本当に丁度、私が不登校の子供や親の事で活動をしようとしていた所だったので
二人に参画して欲しいとお願いしてきてもらって、この三人が揃ったっていう感じですね。

編集長
編集長

不登校ラボという名前が付いているだけに、活動しながら学んでるって
ところなんだと思いますが、このアッタナラさんの活動の中で
実際気付いた事ってどんなことがありますか?

Kay「私は企業においての女性活躍支援というのをメインでやっているので、その視点からすると、
不登校って本当に多い問題で、ママ達の時間をかなり取ってしまうんだなっていうのは、
想像していたよりも実際重たく感じてます。

働きに行きたくても、子供の事が心配で働きに行けない。
子供の事で仕事途中で帰らなきゃいけない!

など・・・。

実際、企業での女性活躍支援というと、小さい子供を育てるママ向けの制度設計が多いですが、

中学生や高校生になっても、そういう事で自由に働けない親御さんがいる

っていう事が、意外でした。」

三島「私は以前自分の子供が学校に行かれなくてしんどいと感じていた経験があって、
その時の自分が欲しかった場所として、悩んでいるお母さん達が話せる場を作ってきました。
昨年及川さんが習志野市で一緒にやろう!と言ってくれたのがアッタナラの始まりです。

私が出来る事は不登校のお子さんを抱えるお母さん達のお話を聞いてあげる事。

それは今でも変わりませんが、この活動で繋がった及川さんとKayさんのお陰で

3人がそれぞれの違った視点から不登校問題に入っていける。
それが今、とても大事な活動に繋がるんだなって実感しています。

私がやってきたお母さん達のお喋り場が中心にあって、及川さんはそれをもっと広い視点や繋がりへひろげていくKayさんはここでの気づきを女性が働くことや企業との関わり方に繋げていこうと活動をする。
最初に思っていたのとはレベルが違うぐらい、周りを巻き込んでこの課題に取り組んでいると思います。

編集長
編集長

様々な団体が向き合っていたりする訳ですけど、
不登校って増え続けているじゃないですか。解決に向けて、
アッタナラさんの活動で見えている未来ってどんな感じでしょうか?

及川「私は大事なのは教育なのかなと思っています。学校という場の先生の意識を変えていくのは大切かなと。
不登校問題というものに関して、本当に学校の先生によって情報量に格差があると感じてます。

今、先生ガチャじゃないけど、そういう風になってる気がしてて、

せめて、校長先生レベルは支援できる事、その情報は一致させていて欲しい。」

三島「そうね・・・その状況はもう何年も変わっていないのかなと思います。
アッタナラのお話会でもどこの学校なのか?だけでも違うし、同じ学校でもどのクラスのどの先生が担任なのか、
だけでも全然情報が違うというお話を聞くことがあります。

編集長
編集長

実際、実現可能かは別として、改革として教育現場にどんなものが起これば
この問題って少し解決に向かって行くとお考えでしょうか?

三島「実際、教育現場の大変さというのは、理解できない訳じゃないんですよね・・・。
TVでも報道されてますけど、先生達が精神的に病んでしまったりしている現状もありますから。
それを知った上で、更に学校の先生方にこの解決を求めるっていうのはどうなのか?とも思います。

そもそもこの解決の先は学校というものなのか?

それはありますよね。今は学校が目の前にあって、それしか目に入らないから、
学校へ!学校が!となってしまいますが

もっと別の選択肢が増えてくると良いのではないかと思います。

福祉やフリースクールのような・・・。
変えていかないと、親か学校か・・・だけでは解決は難しいと思います。

編集長
編集長

そうですね。何事も地域で、包括的にってなってますもんね。
ちなみに今アッタナラさんでお話会の中で、こんな解決の方向に向かった
親子がいました!というような事例をご紹介いただければと思うんですが、

Kay「私で言うと、この活動に関わる時には別に不登校の子供を持つ親、当事者ではなかったんですが、

実はこの活動に関わってから不登校になったんです、うちの子がw

活動に関わっていたからだと思うんですけど、そうなった時に、

じゃあ行かなくていいじゃんwって思えたんですよ。

別に学校だけが全てじゃないし、別に行かないからおしまいじゃないし・・・。
なんか私が親としてアッタナラのしゃべり場で皆さんのお話を聞かせてもらう中で、
学ばせてもらっていたんでしょうね。
そしたら本人は、じゃあ行かないっていう感じで、行きたい時には行って、行きたくなくなったら
行かないっていう感じで・・・ちょうど、中学に進学するタイミングでもあったので、
中学は全く別のところに行って、今では毎日楽しそうに行ってます。

編集長
編集長

Kayさんちなみにアッタナラに出逢ってなかったら、
お子さんが不登校って時にどうなっていたと思いますか?

Kay「それは、悩んでいたと思います。

誰に相談していいかわからないし、調べ方もわからない、検索の打つ単語もわからない。
検索の仕方から間違えちゃいそうです。自分の思考が絶対入るじゃないですか。
【不登校 どうしたらいいのか】とか【不登校 学校に行かせるには】とか
自分が知りたい情報だけとりに行ってしまい、本来知っておきたいこととは違う情報を得てしまうと思います。
問題の本当の解決とは全く関係のない方向に行っちゃってたと思います。

だから、私は色んな情報をアッタナラで知っててよかったなって思います。

この活動があって、情報もあるし、悩んでいる親御さんの顔、思考も知っていたんで、
だから自分の意見をしっかり持てていたからそんなに悩まなかった

と思います。

編集長
編集長

今Kayさんがおっしゃってくれたように、多くの親御さんはやっぱり
復学とかに意識は向くんだと思うんですよね・・・。
そこを行かなくていい!って決意出来るのって
どんな確信から可能になるんでしょうか?

Kay「いや~、普通に学校が全てじゃないんですよね。

学校に行かなくてもちゃんと人生を歩んでる人がいると知ったし、大人になってちゃんと
社会で生きている人も沢山いると知ったので、そしたら、別に・・・

学校行かなくても良いんじゃない?

と思えました。先行事例や成功事例を知るっていうのは大事ですよね。

編集長
編集長

ホント情報の提供などは大切ですよね。ありがとうございます。
少し話変わってしまいますが、不登校の子達って今、
どんな理由で学校に行けなくなる子が多い気がしますか??

三島「私が親御さんから聞くのは、学校でキッカケがあった!っていう感じですかね。

友達から言われた言葉がショックで・・・。

ということはありますね。私の子供も不登校だったんですけど、キッカケは病気だったんですね。
だけど学校に行かないことで友達との関係も変わっていってしまう。
そういうことも理由にあったのかなと思っています。

学校での人間関係が何か拗れる事も理由の1つなのかな。

私はそうだと思います。

及川「私が聞いていて多いなぁと感じる理由は・・・逆に、

お友達とは仲良いんですよ~。

学校は行かないけど、お友達とは遊ぶ~!

とか、そういうのが多い気がします。だから結局、
ストレスの根本が子供同士ではないんだなっていうのがありますね。
これがストレス!っていうのはあまりハッキリ断言は出来ないけど、
子供同士の関わりは別にストレスではないんだなぁっていうのは感じます。もしかしたら・・・
学校という場所に行く事、居るっていう事、それ自体がストレスなのかもしれません。
今はあまり子供同士のイジメとかそういうのがキッカケでの不登校はあまり聞かないかもしれません。

三島「今不登校は低年齢化していますよね。学校は行かないけど、外で友達と遊んでくる!という話は
よく聞きますね。 そうすると不登校は学校での人間関係とかではないかもしれませんね。

及川「こないだも、修学旅行行って、帰ってきたら学校行かなくなった。っていうのもあったし、
体育祭があって、その後、疲れたぁで学校休んだら、その後もその後もあれ?行かないなぁ・・・なんて
そう言う話もありましたからね。GW明けとかですね。

何か1回休んだ事をキッカケに何かわからないけど、不登校にスイッチが入ってしまう

そんなお話もあったりしますね。それだから親も原因がわからない分、凄く葛藤している様子がありますよね。

編集長
編集長

僕らの時代は学校行きたくない理由って
割と明確だったような気がするんですが、明確な理由がないけど
不登校になってしまう・・・。それって何故なんでしょうね。

及川「やっぱり情報の多さってあるのかなって今話してて思いました。私達の時はTVしかなかったけど、
インターネットがあって、YouTubeがあって、またTVもあるし、世界中からの情報が入ってきちゃう。
それは本当に私達の時とは全く違ってて・・・

Kay「だから、不登校を選べる理由を知っちゃうっていうのはありますよね、きっと。
行きたくない理由が四方八方から飛んできちゃうというか・・・。昔だったら学校行かなければイジメに合わなかったけど、今だと家に居てもイジメられてしまうっていうのがあるから・・・。

色々私達の頃にはなかった恐怖とか、不安とかがあるのかもしれませんよね。」

及川「情報が増えていくのはそういう意味では本当に辛いかもしれないなぁ・・・。

編集長
編集長

情報が増えて、不登校の悩みが解消されやすい中で、
不登校も増えやすいって事ですかね・・・これって
実際どういう解決の形になっていくんでしょうね?

Kay「中長期的にはフリースクールが増え、それが認められ・・・っていうところなんだと思いますが、
短期的には私達みたいな、困っている人が居て、迷ってる人が居て、どうしていいのかわからない人が居て、
それを聞ける窓口だったり、導ける場っていうのが必要なのかなって思います。

間を繋ぎながら、行政とかが動いてくれるのを待つしかないのかなぁ・・・と思う一方で、
財源とかどうするんだろう・・・とか思っちゃいますね・・・。

及川「本当にどうなるんでしょうね・・・。

Kay「少子化の日本でフリースクールはビジネス的に持続発展は難しいかもしれない。
大手企業の色んなところがそこに臨もうと思えるものが出て来ない。
本当にどうなるんだろう・・・って思います。
もしかしたらオンラインのフリースクールなどが出席カウントになるようになったら、
現在オンライン塾サービスやタブレットでの勉強ツールなども
不登校生の教育の補填として確立されるかなと思いますけど・・・。

編集長
編集長

本当に難しい問題ですね・・・。ちょっと話を一旦戻しますね。
サイトをご覧の当事者関係者、御家族にお伝えしたい言葉ってなんでしょう?

三島「難しいですね・・・。

及川「私は、これだけかなって思います。

行けないのか。行きたくないから行かないのか。
そこだけはハッキリしておいた方が良いと思います。

行けないなら、行きたい訳だからその理由と向き合っていければいいし、
行かないなら、行かない上でどうする??でしょうし、どちらにしろ、

必ず大丈夫!

だから、そこだけはっきりはさせた方が良いと思いますよ。

Kay「私も似たような感じになりますかね・・・どういう選択をしても必ず明るい未来があるっていうのを
忘れないで欲しいし、そうなる為にどうするか・・・を一緒に考えよう!
って事ですかね。

三島「ホント、行かない。行けない。どっちにしても大丈夫だよ!
でもその大丈夫!って思えるところまでなかなか行けないのも親だからこそなので、

アッタナラがあるよ。 一緒に考えようよ。
話そうよ。独りじゃないよ。

ですね。」

及川「さっき、ティックトックで凄くいい言葉があったんです・・・。

この道を選んで正解!進んで大正解!!

って、これいいなって思って、そうなんですよね。選んで進んだらなんでも正解なんです。

編集長
編集長

最後に、たった一人でここをたまたま見つけた当事者の方に
お伝えしたい言葉はありますか?

Kay「仲間はいるよ~。」

及川「あなたの事を本気で考える大人はいるよ!」

Kay「親も不登校って初めてでわからず戸惑っちゃうかもしれないけど・・・
ゆっくりでいいから、話してみて~!

とも思います。

終わりに・・・

軽々しい言葉を言わぬよう、言葉を選び、丁寧に答えてくださる様子に
この問題の難しさを痛いほど感じながら話させていただきました。

だからといって、誰かに任せる訳でもなく、
自分達が出来る事、すべき事をしっかりと定めながらの
活動の様子を感じさせていただき、
こういう活動がもっともっと日本中で行われていくべきだ!と
強く想う山田なのでした。

☆及川さん、Kayさん、三島さんのいらっしゃるところ☆

施設名不登校ラボ アッタナラ
住 所千葉県習志野市津田沼4-8-18
ジュネス津田沼1F
営業時間・定休日おしゃべり会は不定期開催 毎週(火)(水)(木)9時~17時
対応地域習志野市船橋市八千代市
対 象成人 不登校 ご家族
対応内容未設定
公式サイトhttps://www.facebook.com/profile.php?id=100081756890783
お問い合わせ千葉県習志野市津田沼4-8-18ジュネス津田沼1F
(京成津田沼より徒歩2分)
営業時間:毎週(火)(水)(木)9時~17時
TEL:047-411-9390

インタビュアー:山田賢明
     編集:山田香綸