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Pick up インタビュー NPO法人COCO.NET 理事長 漆原幸子

2024.04.17

NPO法人COCO.NET 理事長 漆原幸子

はじめに・・・

場所は千葉市の住宅街の真ん中にある一軒家。
フリースクール「まなびスペースCOCOCARA」の玄関のドアを開けると、
沢山の靴が玄関にあり、その場所が多くの子供達の
大切な居場所になっている事を感じました。

明るい雰囲気で出迎えてくださったのがそこの理事長であります漆原さん。

笑顔の素敵なその姿からは確かなパワーも感じ、
これからのインタビューが楽しみ・・・と思っていたところ、

なんと奥からひょっこり顔を覗かせたのはこちらのインタビューの特別編でも登場した古山明男さん。

お二人を交えてのインタビューにワクワクが止まらない。

編集長
編集長

早速よろしくお願いします。どなたにでもお聞きしてるような質問ですが、
こういった活動を何故始めたいと思ったんでしょうか?

きっかけはですね。

自分の息子が不登校を経験した。

という事です。息子が不登校になったのは今から8年ぐらい前になるんですけど、
当時はまだ不登校に関する法律も出来ていない、理解も進んでいなくて、

不登校と言うと・・・

可哀想な子
適応できなかった子。

それでもやっぱり頑張って学校に行かなければならない。
それを私自身も疑ったこともなかったんです。

で、息子が不登校になった時にやっぱり頑張って学校に行かせようと、
私からすれば、努力していたんです。

その結果、息子がどんな風になっていくかって言うと、

精神的にどんどんしんどくなってしまって、
精神科に通うようにまでなってしまったんです。

そこまで来た時に初めて、

これはこの子にとって本当に良い事なんだろうか?

って考えるようになったんですね。だけど、学校以外のところで子供を育てるって
今まで考えた事もなかったので、全然学校に行かせる以外の事、浮かばなかったんですね。

その時たまたま古山さんに出逢って・・・その時、古山さんがおっしゃってたのが、

生命への畏敬の念と芸術に触れる事をしていればこの子は大丈夫。

って言ってくれたんですね。
生命への畏敬の念って聞いた時に私の中でパッと180度自分の考えが払拭されたって感覚があって、

そうだ!私はこの子を学校に行かせようと思って産み落とした訳でもなくて、
この子を学校に行かせるために育ててきた訳でもないんだよな。
この子の命が一番輝くように生きて欲しい!と思って育ててきたんだから、
それが学校であろうと、学校でなかろうと、場所に拘る必要ないんだよな。

そう思ったら、もう公教育に拘るのやめようってなったんですよね。
勿論、私達親子にとっては清水の舞台から飛び降りるような気分ですよねw
でもそこから降りてみたら、

物凄く世界が広がっている事に初めて気が付くんです。

その時はホームスクーラーから始めて、家の中を基盤としながら社会リソースを上手く使って
本人がやりたい事を整えて行ったんですけども、そこからフリースクールとの出逢いもあって
彼にとっての第二の学校が見つかるんですよね。

オランダのイエナプラン教育っていう教育理論を取り入れたフリースクールだったんですけども、
その教育理論との出逢いっていうのも、本人にとっても私にとっても大きくて、
後に実際に子供と一緒にオランダに行って研修を受けたりもしてるんですw

でもホントそれぐらい、今の学校教育しか行くべきところはない!って思っていたんですけども、

違う教育の在り方、違う育ちの場とか、違う学びの場とか、
そういうものがあるのかもしれない!!

そう言う風に感じながら数年子供を育てていると、
これは間違ってないんじゃないかって、
思えるようになってきたんですよね。

息子が不登校になった事で、私自身も本当に辛い時期を過ごしたので、
今度はお母さん達の親御さん達のセーフティーネットというか、
心の拠り所になるような保護者向けのサークルがあると良いなと思って、
その時期ぐらいに立ち上げていたんですね。

そこで多様な教育の在り方っていうのをそこにいるお母さん達といっぱい学んだんです。

で、そこで得た知識を元に、私達はこういう知見を得た訳だから、
それを身近なお母さん達とか学校が苦手だっていう子供達に
何かしら還元できるような活動に持っていけないか・・・
って思ってスタートしたのがキッカケです!

長くなっちゃったw

編集長
編集長

いえいえw息子さんの不登校から色んな教育を知り、公教育から降りて
これが間違いないんじゃないか?って思えたキッカケってなんでしょう?

主人がキリスト教で、後に私も洗礼を受けるんですけど、

自分の子供を育てた幼稚園がカトリックの、ミッションの幼稚園で
モンテッソーリ教育の幼稚園でもあったんですけども、母体は修道院なんですよ。
そこが物凄い自然豊かな幼稚園で、園長先生であるシスターが、

モンテッソーリの教育が如何に素晴らしくとも、
この大自然の中では全然大したことじゃないのよね。

みたいなことをサラッとおっしゃるような方だったんです。

モンテッソーリやってるところって、その教育をやってます!って事を
物凄く大切にされてるところが多いんですけど、
その園長先生はあっさりと

自然には敵わないわよね~。

なんておっしゃられる方で、本当に自然豊かな、緑溢れる中で、
毎日虫採って、毎日鬼ごっこして、毎日遊んで、のびのび育ったんですね子供達が。

そこが、保育とか育児の私自身の原点にあったんですよね。

神様の贈り物として子供達を育てさせてもらっていて、
そこでありのままにその子らしく育っていく事の素晴らしさを
幼稚園の時に体現して見せてもらったんですよね。

子供達だけじゃなくて、親もそこで育ててもらうような感覚があったんです。

子供の成長を見て子育ての本質ってここなんだな、
教育ってこういう事なんだなって大人も学ばせてもらった。

だから、そこが原点にあったので、子供が生き生きしていない・・・
鬱々してて、元気がない・・・。

「僕もう死んじゃうね。もう僕、今日でさよなら。お母さんありがとう。」
って、6歳の頃そう言う風に言ったんですよね。

その時に、この子が死んじゃおうって思うようなところに
無理矢理行かせるのは正しい事じゃ全くない!って・・・

そうじゃなくて、この子がのびのび、生き生き育った、あの幼稚園時代のような
あれこそが子育ての本質じゃないか!って思ったので、
学校に行かせなきゃ行かせなきゃ!って拘らないでいけたんだと思います。

編集長
編集長

そうなんですね。わからなければいいんですが、
ちなみにお子さんは何故学校に行きたくなくなっちゃったんでしょう?

なんか・・・

怖い。

って言ってました。

でも、たった1日でドロップアウトしちゃったんですよ。
なので、何がそこまで怖かったのかわからないですけど、
先程話した通り、幼稚園とは明らかに違ったのはあったと思います。

先生がぶわぁぁぁぁ~って話すと、それも忘れないように
覚えておかなきゃいけないと思ったみたいなんです。
だけど、とめどなく説明されるじゃないですか?
トイレの使い方から、ロッカーの使い方から・・・

多分キャパオーバーしたんだと思うんですよ。

編集長
編集長

確かに・・・あれって怖いかもしれませんね。
1日でドロップアウトって話がありましたが、
その後、学校側からの働きかけって色々あったと思うんですけど、
どうやってそれをかわしていくんでしょうか?

それが、悲しい事に・・・先生方も含めてあまりグイグイ来なかったんですよね。
でも、ケースバイケースじゃないですか?グイグイ来られて嫌な思いされる方もいるだろうし・・・。

ただ、息子の場合は

先生がたまに逢いに来てくれたりすると嬉しそうだったりしたんですね。

先生が来るって言ったら、楽しみで家の外で待ってるような感じだったんですよ。
ただ、やっぱり先生も他の生徒達との兼ね合いもありますし、授業も忙しい中で
ご家庭もあったりするだろうし、もしかしたら、過剰なお仕事の範疇になってしまうような
そんな大変な思いもなさってたのかもしれないですけども・・・。

なので、パッと書類だけ渡して「元気?」とだけ聞いて、サッと帰って行くような・・・
そんな感じになっていて、本人としては

その方が悲しかった・・・と言うような事は後に言ってましたね。

でもそれってしょうがないところだとは思うんですけどね。
先生に求めるべきところではないような気もしますからねそこまでは。

編集長
編集長

じゃあ、割とサラッと学校側とは切り離し出来た感じですかね。

まあ、でもやっぱりそれも紆余曲折という感じもあったんですけど・・・

学校側から来てくれるような事が無かったので、会議ひとつ開くにも
こっちから働きかけないといけなかったので、
そっちの方がこっちとしては憤りを感じていましたかね・・・。

編集長
編集長

ホントにケースバイケースですね。関わって欲しいご家庭もあるし、
関わって欲しくないご家庭もあるって感じですもんね。
実際ドロップアウトしてお子さんの変化どんな感じでした?

行かなくて良いよ。って話した時に、

めちゃくちゃ安堵してたんですよね、顔が。

その顔を見た時に、

この子、この一言を待ってたんだ・・・。

って私自身が思った時に本当に

申し訳ない!

って感じましたね。
その後は見る見る回復していって、明日学校行かなきゃいけないから・・・
っていう動きがなくなる訳じゃないですか。
だから毎日

「明日何しようか?」

ってところから会話のやりとりがあって、
じゃあ、モーターショー見に行こう!とか科学館に行ってみよう!とか。

でもそれは当時、私が仕事をしないでいられる家庭状況だったのもあったので
実現した事でもあったんですけど、とにかく色んなところに毎日のように行って、
彼が行きたい!っていうところに行ってたんで、

どんどん元気になっていきました!

編集長
編集長

ありがとうございます。ちょっとお話を変えちゃうんですが、
インタビュー前にお話していた時に、漆原さん自身、

心理系のお仕事をなさっていたとお話がありましたが、

はい。そうですね。

編集長
編集長

お子さんが追い込まれていったお話もあったので、
きっと児童心理も含め、ストレスを掛けない事、そう言う声掛けの仕方、
敏感じゃないですか?そのへんって僕もそうですが・・・。

敏感でしたけど・・・

親は駄目ですね(笑)

編集長
編集長

僕も親なのでわかりますけど、難しかったですか?

難しかったですね(笑)
知識の持ち出し方が・・・もう当時、必死でしたから、持ち得る知識を最大限に使って

どうやって学校行かせるか・・・?

そればかりになっていましたね。もう色んな知識を導入して、
逆に追い込む方に追い込む方に力を注いでしまっていましたね。
トークンで行くのか!?認知で行くのか!?みたいな(笑)
そう言うアプローチ法を夜な夜な作ったりとか、工夫したりとかして、
全部記録も取って、やっちゃってましたね当時w

編集長
編集長

あ!古山さんもいらっしゃったんで!良いタイミングですね!(笑)
色々追い込んでしまったりしちゃった訳ですけど、

古山さんの言葉で目が覚めたようなお話もありましたが・・・

古山:え?そうなの?w
漆原:そうですよ!息子の事でホント救われたんですから!w

編集長
編集長

(笑)ちなみに不登校になってから、そのお気づきになるまでって
どれぐらいの時間が掛かりましたか?

漆原:(指で数えながら)4カ月ですね。
それもプロの知識で追い込んでしまった時期ですからキレッキレの追い込み方ですよねw

そりゃあ息子も病んじゃいますよね。精神科も受診することになっちゃって・・・。

編集長
編集長

ちょっとここからは古山さんにお聞きしてみたいんですが、
漆原さんと息子さんが現れた時の印象ってどうでしたか?

古山:お母さんがまず現れてね。とにかく息子さんに逢ってみましょうか。っていう感じで来てもらって
で、ちょっと戯れ掛かってみたんですよ。そしたらどうってことなくて、サッと乗って来てくれたんでね。

まあ、このお子さん筋良いですよ。どうってことないですよ~。

ってお伝えしただけですよ・・・それが随分役に立っちゃったって事ですかね(笑)

浦安か何処かでその後ですけども、彼と話をした時かな、彼が言うんですけどもね、
「古山さんに出逢ってなければどうなってたかわからない。」
って言ってくれるんです。そんな大した事をした訳じゃないんですけどね。

彼のその時の表現ですけども、

「漕いでも漕いでも進まない泥の中を船で進むような感じでどうにもならなかった。」

そんな時に古山さんに出逢った!と言ってくれるんですよね。・・・ありがとうございますw

編集長
編集長

多分ですけど、大人ってこういうものだ!って固まり始めてる時期に
壊してくれる存在が現れたのかもしれませんよね。彼にとっては。

漆原:私にとってもそうですよ。びっくりしました。
こんな風に言ってくれる人に逢った事ない!って感じでした。

その後、うちにも来てくださったんですよ。
どうしても夫婦でも意見が割れたりするじゃないですか?
お父さんは絶対学校に戻せ!って言ってしまう方が多かったり、一般的に。

うちの主人の場合は、戻せ!とは言わなかったですけど、
「ママは自分の子供なのに信じられないの?信じてもらえない子供が可哀想だ!」
って言ってましたね。言ってましたけど・・・
自分も私立の中高一貫で、出てきた人間なので小学校の2年生ぐらいから
塾行って備えていないと、その先行けないよ。
というような考えを持っている人ではあったんで、その中で揺れ動いていたのはあったんですよね。

その中で古山さんが来てお話したら、うちの主人も180度変わって、
「学校行かない方が良いね!そんなの辞めよう!辞めよう!」ってw

古山:え?そうなの?w

漆原:そうですよ!w「じゃあ明日から行かなくていいよ!辞めよう!辞めよう!」ってw

編集長
編集長

古山さんの知らないところで影響が起こっていたんですねw
漆原さんのお話の中にやはり一般的な拘りとしての教養、勉学の部分って
存在してたじゃないですか?実際学校行かなくなってその辺ってどうです?

漆原:育ててみてわかったことですけど・・・

うちの子は地球人じゃなかったんですよ!(笑)

地球人じゃない子にそもそも地球の教養云々・・・ってそれ自体がナンセンスだったんですよね。

編集長
編集長

(笑)絶対多くの親御さん、そこなんですよね!そこを切り替えるって
本当に難しいと思うんです。受験どうする?とか良い大学入って欲しい!とか
息子さんが宇宙人だ!とおっしゃる漆原さんは
今、そこをどう考えていますか?

漆原:全く別の人間なので・・・子供と言えど・・・。
親だからってそんなに影響のある人間だと思えないんですよね。子供にとって。
だから、何かが出来るとも思えないし・・・。

本人が必要なものって、必要な時に必要なだけ選び取って生きていくと思うんです。

こちらからわざわざ、用意したり、強要しなくても、良いと思うんですよね。
与えよう!って事さえも全く思わなくなったっていう感じですかね。
子供二人いるんですが、二人ともそうですかね。

古山:こちらからするとね。二人ともあの年齢にしては凄い一般教養を持っていますよ。

漆原:そうですねw教養は凄いですね。

古山:YouTubeからなのかな?ホント子供ひとりひとり違うのでしっかり見なきゃいけません。
与えれば良いってもんじゃないんです。それぞれ必要なものは自分で得るんです。
漆原さんのところの男の子は絞り込んでひとつのものを集中してやるタイプです。

だからプログラミングなんか、ホント凄いですよ!

宇宙人だからね(笑)

編集長
編集長

ホント色んな子がいて良いんですよね。じゃあまたフリースクールのお話に
戻りたいと思うんですが、色んな子供達がそれこそいらっしゃる中で、
それこそ宇宙人だ!wって子もいらっしゃると思うんですが、
漆原さんや古山さんの方で気を付けている事って何かありますか?

漆原:そうですね・・・最初からこれを気を付けようと思っていた訳ではなかったんですけど、
来ている子を見ていて、この辺が鬼門なのではないかな?と思って気を付けている事としては、
やっぱりその子達のケアと言うのは大切にするべきなんじゃないかな?と思っています。

不登校になった子供達にケアとコミュニケーションっていう二つを合言葉に、今、関わっていて、
やっぱり彼らに対して、私達が慮るような態度、声掛けなどを丁寧にやってきたつもりなんです。

そうすると今度は子供達が自ら相手を慮ったりする様子が見られたりして、
やっぱり私達大人が最初、ケアとコミュニケーションだ!って彼らを尊重し、慮ってやってきた事が
こういう風に広がりを見せていくんだ!っていうのは、体感としてありますね。

子供達が子供達同士で、っていうだけじゃなくて
大人に対してもそうしてくれる様子もあったりするので、そうなってくると、もう、
どっちが救われてるのかわからなくなるような感覚もあります。
そうすると、物凄く良い人間関係というか、物凄く良い空気感というか、空間というか、
そう言ったものが出来上がってくるんですよね。

それには3年ぐらいの月日が掛かりましたけどねw

古山:あれしなさい、これしなさい、なんて一切言ってないんでね。
ケアとコミュニケーションだけを意識して尊重して関わってきましたから、
僕も多くのフリースクールと関わらせてもらってきましたけど、
他とここの大きな違いはそこです。

多くのフリースクールは実践と見守りなんです。

これ、悪くはないんですよ。悪くはないんですけど、ストライクゾーンではないんです。
良くはなっていくかもしれませんけども、普通なんですよ。そこじゃないんです。

編集長
編集長

あ~わかります。こちらからの指示も要りません、かといって放置も違う。
多くの場所はこのバランスを諦めてるような気が僕もしています。
その難しいところを実践されてきたって事ですね!

古山:以前は自分でフリースクールもやっていたんですが、必ず女性と組んでやっていました。
僕はお勉強系の部分が得意でしたし、あと人間関係に関しても
割と男っぽいサラッとしたようなものになりがちだったので、やっぱりそれだけでは足りないんですよね。

ケアの部分ってやっぱり凄く大切で・・・それもマニュアル的な感じじゃなくて、
人間そのものを人間が向き合ってケアしていくような感じ・・・。
それが必要なんですよ。お勉強だけじゃなくてね。

こちらでは本当にその辺のところがしっかりと出来ています。
漆原さんのおっしゃるケアとコミュニケーションは深いです。

だから、ここでの子供達の大人との関わりというのは他にはないものがあります。

漆原:うん。ありますよねwそう言う風に子供達と接していると、
なんか、魂に触れたって思える瞬間というか・・・
あ~、大切なところに入れてもらえたぁ~!っていう瞬間って。

編集長
編集長

なんか良いですね~。どなたにでも聞くような質問になっちゃいますが、
ここにいらっしゃる子供達ってどんな理由で学校行かない子が多いですか?

漆原:今まで在籍してきたトータルの子供達で言うと・・・
学校に合わなかった。っていう子が多いですかね。
先生が合わなかったとか、勉強、クラス・・・色々ですけど、
トータルで言うと、学校に合わなかったっていう感じですね。

古山:最初は本当に子供達もわからない事が多いですね・・・。
それで関係性が出来てくると、段々言葉に出来る様になってきて、
あ、合わなかったんだ!って言うような感じでお話してくれるんです。

編集長
編集長

僕等の時代だと、合う合わないなんて考える余地も無かったような・・・
それが悪いとか良いとかじゃないんですが、今の子供達って
何故、合うとか合わないとか感じて、言葉に出来てしまうんでしょうか?

漆原:なんでなんでしょう・・・。

古山:受け入れ態勢が出来て来たんじゃないでしょうかね・・・。
言語化出来る大人達がいないと、子供達は言語化出来ないですから。
そう言う風に子供の気持ちを受け入れる大人が増えてきたっていうのはあるとは思います。

漆原:あ~。そうですね。
私達もある程度、合う合わないがわかる、考えられる世代じゃないですか。
それもあるかもしれませんよね。私達や私達より少し若い世代っていうのは
「合わない。」って言われた時に「うん。わかるよ。」って言えるというか・・・。

私達より一層、二層上の親世代っていうのはそういうのがそもそもわからなかったのかもしれませんね。
あ、古山先生はちょっと異常ですけど・・・w

編集長
編集長

そうですね。情報過多な時代でもありますし、親達も勉強してますからね!
共感出来る親が増えたっていうのはありそうですね! 

漆原:親世代が変わってきた。共感出来るようになって来たっていうのが大きいから、
例えば、鉛筆を使わなきゃいけない!とか、ずっと椅子に座って勉強しなきゃいけない!とか、
嫌なんだよね。って子供も言えるんでしょうし、言われた時に親も
「そうなんだ。わかるよ。」って反応が出来るんですよね。

後はコロナ禍っていうのもひとつ理由にあったりもしました。

編集長
編集長

え、それは、コロナ禍でステイホームしていたら家の居心地が良くて・・・
って感じの事でしょうか?

漆原:いや、そうではなくて、マスク生活がそもそも身体的に苦しい。だから行きたくなくなったってものです。
アレルギー体質の子とかだと、口の周り、鼻の周りに何かがある状態がそもそも駄目だっていう子もいました。
学校に行くと強制されてしまうから、それが嫌で・・・って子もいましたね。

後は、イジメや、友人、先生とのトラブルからっていう子もいますね。

数は少ないですけど、それこそ時代なんでしょうけど、そもそも学校ではない教育、
ホームエデュケーションに興味があってって方もいらっしゃいますね。

編集長
編集長

ホント時代は多様性に向かってますね。ここを見てくださってる方の中には
やはり、なかなか通例や一般的から抜けられない方も
いらっしゃると思うので、そう言う方に目線を変えるヒントいただけます?

漆原:まずはこれが本人にとって嫌!とか苦手!って事よりも、
好きなことにフォーカスを当ててあげる事が一番ですよね。先にすべき事だと思います。
それと存分に向き合える時間や場所を安心して得てもらって、そこからだと思います。
嫌!とか苦手!と順々に向き合っていくのは。

古山:いくら学校に行って欲しいって親側が思ったとしても、子供が納得していなくては難しいですから。
そんなことよりも大切な事は、ご自身のお子さんが何をしている時に目を輝かせているか・・・ですよね。
親御さんと向き合わせていただく時にはそこを、なるべく具体的な言葉で伝えてあげる事を意識しています。
そうするとね、今まで普通と違う!ってところばかりに目線が言ってたものが、
あ!そうか!ってところに目が向かうようになって来るんです。

出来ない事ばかりじゃなくて、こういう事が出来るんだ!

親側がそれに気付く事が大きいんです。

編集長
編集長

確かに子供達の後々の人生を考えた時に親との関係が壊れる事の方が
リスク大きいですからね。親が与えなくても子供が必要だと思えば

勝手にピックアップしていったりしますもんね。

漆原:そうなんですよね。不思議じゃないですか。どんなに苦手なことであっても
その子が必要だ!って思えば、勝手にやったりするんですよね。
その子の限界値だ!って思ってても、本当に必要な時には手を伸ばしていたりするんですよね。

それって多分、他から強要されてやらされるのでは絶対出来ないんですよね。

本人を信じて、必要であればきっとやるんだ!って周りの大人が思う事って大事ですよね。

編集長
編集長

ありがとうございます。今現在、引きこもってしまっていたり、
不登校になってしまってる、それで悩んでしまってる方に対して、
お伝えしたい言葉ってありますか?

漆原:その質問来るんだろうなぁ・・・って思ってました!w

でも・・・なんだろう・・・何も特別なことはないですよね・・・。

言葉にするとありきたりな事になっちゃうじゃないですか!

保護者の方達にはお逢いしてお話しする事は沢山あるんですけど、
やっぱり今現在、悩んでいるご本人達にはあまり言葉を
特別に送った事はないかもしれませんね。今話してて気づきましたw

先程、魂に触れる瞬間・・・のお話させていただきましたけど、
ああいう瞬間、時間を感じて欲しいっていうのはありますかね・・・。

親じゃなくとも、それこそ身内、家族じゃなくても、
そう言う風になれる存在はいるんだよ。

って知って欲しいですね。

多分、場所じゃないんですよね。人なんですよね。

あなた自身を受け入れてくれる人、わかってくれる人は必ずいるよ。

終わりに・・・

盛り上がりすぎて話が終わらない・・・。
気が付いたら1時間を超えて、フリースクールの放課後に突入w
危ない危ない・・・と話を終えたそんなインタビュー。

漆原さんの実体験からの想い、愛に溢れたお話の最中も
子供達の姿がチラチラ見えて、のびのび過ごす素敵な様子に
こういう場所の大切さを再認識させていただきました。

大切なのは枠にあてはめる事では無く、子供が子供らしく居られる場所を
しっかりと親が認め、求めていく事なんだろうと
我が子の事にあてはめて、素敵な学びを得た山田なのでした。

☆漆原さんのいらっしゃるところ☆

施設名NPO法人COCO.NET
住 所〒265-0066
千葉県千葉市若葉区多部田町752-10
営業時間・定休日開校:月・水・金の10時~16時
対応地域千葉県全域
対 象児童未成年不登校
対応内容相談学習支援
公式サイトhttp://coconet-chiba.or.jp/
お問い合わせ〒265-0066
千葉県千葉市若葉区多部田町752-10
info@coconet-chiba.or.jp
043-308-5432

インタビュアー:山田賢明
     編集:山田香綸