もくじ
はじめに・・・
私の話が何かお役に立てるんでしょうか???
あまりに普通に、
あまりに自然に、
あまりに当たり前に、
出来る事をやっているだけ。
そんな空気が全身から出ているような印象。
穏やかでありつつも、確かな眼で真っ直ぐ見てくる。
多くの方の人生に寄り添っている、
honeybeeの代表理事、西島さんにお話を伺いました。
この度はインタビューにお応えいただき、ありがとうございます。
唐突な質問になりますが、honeybeeさんでは
どういった方の相談を受ける事が多かったりしますか??
ハンディキャップをお持ちの方や、
そうじゃないかなぁ?って思われるお子さんをお持ちのご家族の方だったり
のご相談が多いような気がします。
ちょっと緊張してますねw
ちなみに、そういう方にどんな支援をされているんでしょうか??
そうですね(笑)固くなっちゃいますねw
相談いただいた方には、
まず、福祉サービスのご案内は一旦はさせていただいてます。
あと、対象外だったり、そういったサービスを利用された事が無い方は・・・
大体、そんなスムーズに受け入れてはくれない事の方が多いんですよね。
例えば、もしかして・・・とは思ってるんだけど、実際、そう(障がいがある!)と
言われてしまったりすると、ショックを受けられて、
いやいや!自分はそうではない!
と拒否されてしまう方もいらっしゃるので、
うちでは成人の方であれば、ちょっと試しに働きに来てもらったり、
そうでなければちょっと見学に来てもらったり、お昼ご飯だけでも一緒に食べてもらったりとか、
とにかく、この空間を知ってもらう事からチャレンジしてもらった方も何人かいらっしゃいます。
福祉サービスに繋げていく必要がある方なら、そのまま、うちにご縁があれば、対応させていただきますが、
そうでない方の場合は、他の機関だったり、就労の場などへ繋げさせていただく対応を取らせてもらってます。
そうなんですね!ではここから西島さんの事をお聞きしたいんですが、
honeybeeさんを始めたキッカケを教えてもらっていいですか?
私が大人になって、人生を上手く立ち回れていたか?といえば、全くそうではなく、
色んな転職という回数で言えば、普通の人より多かったかもしれないんですよね。
飽きてしまう・・・っていうのが理由としては一番なんですけど、
どこの職場でも続かなくて・・・そんな中で、同じ船橋のエリア内にある福祉事業の会社が
事務員募集をされてるのを見まして、そこから福祉という現場に入っていった事がキッカケですね。
で、現場の中で今のhoneybeeという会社の元であります、
日中一時支援事業所というのを立ち上げて、
その現場でこの仕事の面白さというのに触れたんですよね。
そうしている内に「独立して頑張ってください!」と会社の方から言っていただけたので、
今のこの会社が出来上がったんです。
でも本当にこうなってみてわかったんですけど、
その当時はただただ転職したくてしていたようなものだったんですが、
転職活動の期間、転職の数というものに関しては今、とても役に立っているんです。
色んな業種を広く、浅くですが、経験したことが、
今のhoneybeeという会社の幅広い事業展開にも繋がっているかな?って思います。
飽きっぽかった西島さんが、福祉の仕事に関しては飽きなかった。
福祉の仕事の面白さってなんでしょうか?
飽きなかった・・・うーん・・・そうですねw
日中一時ってやり方が色々あって、今は移動支援なんかもうちはやってますけど、
お出掛け支援もそうですし、訪問もありますし、みんなにこの場に来てもらってのんびりしてもらうのもそうだし、
イベント企画してみんなに楽しんでもらったりとか、とにかく・・・
いろんな要素を交えて運営できるっていうところが自分に合っていたんですよね。
また職員さんも私と同じように、なかなか同じ会社で続けられなかった方が多いんですけど、
そういった、今後の不安、人生の不安を抱えていらっしゃる方々を見ていて、
本当に私も同じだったので、何か・・・支えてあげたいという気持ちになったっていうのがありますね。
同じ気持ち、境遇だった過去の話も含めて、利用者さんだったりとかに話した時に
背を向ける方はそんなに居なくて、共感してもらえる場って大事だなって思ったんで、
そういう安心を手にする方が増えると良いなって今は思ってます。
そうなんですね。職員の方も今利用されてる方も同じって話があったんですが
例えば、迷ってここに辿り着いた方って
どんな感じでその迷いを消していくんでしょうか?
いや、みんなずっと迷っていると思います(笑)
どの方にも決まってお伝えしているのは
「3年はきついよね。」
って事です。
生活を変えたりって、3年続けられたらその先も大丈夫だと思うんです。
だから、半年、1年、2年というような短い目標を一緒に立てていくような
そう言うのが大切かと思っています。
引きこもりっていう方の場合は特に家から出るって事自体がかなり大変ですから、
家族の協力とかも必要だと思いますし、本人の意志、決めたものだけでは
どうしようもないものも当然あったりもしますから・・・
失敗例なんて私達もいっぱい持ってますのでw
あ、そんなの大丈夫大丈夫。一緒に頑張ろう!
ってところで、安心してもらいながら少しずつ少しずつ前に進んでいくような、
そういうのが大切かなって思います。
こういう場所に出逢って、自分だけじゃないんだなって実感していく。
そういうプロセスが必要なんですね!今現在悩まれてる方で、
なかなか動けない方に何か掛けたい言葉はありますか?
いや、結構私、厳しい言葉しか言えないので・・・ハッキリ言っちゃいますw
キツイなぁって思うかもしれないんですけど、その意見に萎縮してしまうぐらい
反論できない状況が今はあるんだと思うんですよ。
でも、そこを認める事って大事だと思ってて・・・。
さっきも話した通り、
みんな一緒だよ。っていうところスタートなので・・・。
うーん、どうだろう・・・w
(笑)先程おっしゃられてた厳しい事って、
どんなことをお伝えするんですか?
そうですね・・・実例を挙げると・・・、
うちの母親が自分の事を全くわかってくれない!認めてくれない!
と、そういう訴えがあった時に、
「認められる訳ないじゃん今。」
っていうのを普通に正直に私は伝えます。
キョトンとされちゃうんですけどwでもそこから目標が作れるって事に気付いてもらって、
一緒に考えていく、いくつか、目標達成の為にその方に出来そうなものを用意していくんです。
そこに乗ってきてくれる方なら頑張れるんだろうと思います。
勿論、頑張れない方もいらっしゃるんですが、それって相性じゃないですか。
私じゃない人との方が上手く行く方もいらっしゃるでしょうし、
それは当たり前の事として、他の方にバトンタッチしたりもしています。
なかなか御身内だったりすると厳しく事実を伝えるって
難しく考えてしまいそうな方もいらっしゃると思うんですが、
西島さんが厳しく事実を!と考えてるのはどういった意図からでしょうか?
私も実は引きこもり当事者で・・・でもその理由って周りが
パッと見てるだけでは全くわからないんですよね。
そして意外なもので、本人、当事者もわからなかったりするんです。
だから、周りの人達が苦しんだだろうなぁって思うんですよ。
現状の原因に当たるものって、ひとつの事がキッカケだったとも限らないと思ってて、
なので、聞き取りの中で感じた事や思った事はしっかりと伝えさせていただき、
本人もハッキリとわからない訳ですから・・・
私が指摘したり、何か提案したものに対して、
ちょっとでも「そうかも!!」と思えたならば、
そこを突破口に一緒に、努力して、改善を目指せるかなと。
ある、事例なんですけど、
求人出していた時に息子の代わりにお母様が面接にいらっしゃって・・・
私もびっくりして、
「あれ!?なんで本人来ないの!?」
って聞いたんです。
そうすると「私が言ってもダメなんです・・・」っておっしゃったので、
その場で私が電話して、
「お母さんがあなたの代わりに面接に来てるよ!」
とお伝えして、危機感、お母様の苦悩をそのお子さまにお伝えして、
面接に来てもらって、そこから、うちで働けるようになった方もいらっしゃいます。
で、そこから色々話を伺っていくと、
電車の事が好きだったりするって事がわかってきて、
いつか、電車に乗って色んなところに旅行出来たらいいね~。なんて話していたんですけど、
段々、月日が経って、3年ほど経ってきた頃に電車に携わるお仕事がしたいんだって
わかってきて・・・それこそ、もう3年経ったし、今なら色々な事出来るんじゃない?って
そう言う話し合いを重ねた結果、今では電車の車内清掃のお仕事に就いて、
元気に頑張っているっていう、そんな方もいます。
そういう空気感が大事なのかなって思います。
あ、応援してくれるんだな・・・っていう空気感。
それがわかると、しっかり寄りかかってくれるというか、
寄りかかってくれたら、その姿勢を信じて私たちが出来るサポートをしていく。
で、何事も相性なのでここでなくても他にも色んなところがあるんで、
別にそこは強制するものでもないんだろうと思います。
例えば、やる気ない、希望も見えてない、何もしたくない、
そう言う人がここでどういうプロセスを踏んで就職までいくんでしょう?
働かなくても生きて来られちゃった方でも後ろめたさは持っているんですよね。
ただ、そこを否定されるのも嫌なんですよね・・・。
難しいですね・・・個人個人やはり違いますので・・・。
あ、ご家族から離した方が良いという方もやっぱりいらっしゃいますね。
そういう方の場合は、色々関わらせていただいてる法人さん、団体さんがいらっしゃいますので、
そこを通して、家から出すっていうところから力にならせてもらう事もあって、
拒否されたらおしまいなんですけど、辛抱強く・・・
ちょっと一度家族から離れてみない?
という感じで、そこから離れてみたら、スイッチが入って、
働くって事とも向き合えるようになる方がいたりしますね。
最初は週1回程度だったところから、週2って増えてきて、
週2回来れるようになったら、意外と週5なんてあっと言う間なんです。
でも、
やっぱり3年ぐらいは見てもらってるかなぁ・・・。
身内の献身な態度が悪影響になっているって、色んなところで聞くんですが
何故、そんな切ない結果になってしまうんでしょうね?
私、今、親の介護をしているんですけど・・・。
やっぱり親に対しての態度と、ご利用者さんに対して取っている態度って
全く違ってしまうんですよね。
私は家族で介護をする事は避けられるなら避けるべきだと思っている派なんですけど、
でも、見なきゃいけないご家族にとってはそれは仕方ない事ではあるじゃないですか。
これは引きこもりのご家族も一緒で・・・
自分の家族を見なきゃ!と思えば思うほど、自分も家族も縛るんですよね。
絆が強過ぎるからこそ、変えられなくなってしまってるっていうのも
実際ありますよね。
家族だけで何かを変えようとしても、なかなか、それを壊すような第三者とかが
介入しないと難しいんじゃないかな・・・と、個人的には思います。
勿論、ゼロではないんでしょうけど・・・はい。
あ!ハンディキャップ、障がいをお持ちの方であれば、その障がいを受け入れていたりもするので、
意外と第三者の介入も、福祉サービスに繋げるのもすぐ出来たりするんですよね。
ホント、そうではない一般の方で引きこもっちゃってる方の親御さんや、
また障がいがあるかもしれない・・・?ぐらいのお子さんをお持ちで引きこもっちゃってるっていう
親御さんなんかは・・・難しいと思います。
そうなんですね。ありがとうございます。では、
うちの子、障がいあるかも・・・?でも言っても動いてくれない・・・
そう、悩んでいる親御さん達にかけられる言葉ってありますか?
まずはうちのような場所に見学や体験に来ていただくのが良いと思います。
障がいがあるかも・・・?と思っても、手帳を申請するのには凄く大変な手続きがありますし、
それをおひとりで調べて、ガッカリしててもやはりわからない事は沢山ありますから、
是非、お話を聞きに来てくださると良いのかな。
手帳を持たなくてもお医者さんの診断さえあれば、一定期間ですが利用できるサービスもあるんですよね。
就労継続支援のA型なんかうちでもやってるんですが・・・、
そういったところの社会参加から、始めていく事も出来ますからね。
うちで働いてくれてる方の中にも、一般で働いてきたんだけど、
人と違う目立った部分に凸凹のようなものがあって、他の部分は素晴らしいんだけど、
その凸凹の部分で周りからイジメられたり、仕事上であれば怒られたりしてしまって、
働けない・・・って思って生きて来られた方がいたりするんですが、
まずはうちのような周りのサポート受けながら凸凹を支援してもらいながら、
そこを恥じるのではなく、向き合って、自信が持てるようになるまで、頑張ってみて、
自信が持てるようになったら、ステップアップで一般のお仕事に
再度チャレンジして上手く行った方は何人もいらっしゃいますからね。
ですから、
今はとにかく焦らずに。
うち、honeybeeの中は本当に障がいなど、個性に関してオープンなので、
そう言った凸凹をみんなで認め合いながら、お仕事していたりするので、
こういう環境で自信を取り戻していったら、いいのかな・・・。
なので、
体験や、見学でまずは感じてもらう事が大切かなって思います。
そう言う場所があるって知らない人が多いんでホント心強いです!
なかなか考え方も事業所それぞれ違ったりするので、
感じてもらって、ご縁があれば・・・ってところですよね。
今現在、行き場を失ってる当事者の方にかけられる言葉ってありますか?
私達の事業所にも色んな方がいらっしゃる中で、やはり万人がここでしっくり来る訳ではありません。
辛辣なご意見をいただく時もあるんですが、そのお話をされる方を見ていると感じるのは
やはり寄りかかり方なのかな・・・
と思います。
ご期待されてる寄りかかり方が、うちが強みとしている物と違うって事があるんですよね。
自活力が全くない。それを全く意識しない。それを望んで来られると、
うちでは難しいのかな・・・とは思います。完全におんぶにだっこという形を
継続支援する事はうちではない他のところの方が得意だったりしますからね。
「なんだよ!仕事辛いじゃん!!」
「こんなキツイ仕事させるんじゃねぇよ!」
とか不満を持つ方が「あそこは鬼だ!」って言ったりするんだと思うんです。
でも、そこはしっかり平等に見るべきだと思うんですよね。
この時給で働きたいんでしょ?と、そうであるならば、
働く側に自由が許されているように、雇う側も選ぶ権利があるよね。
っていう・・・
そこはお互い様だよね!w誤解の無いようにお願いします!w
って(笑)
強いっ!!さすがですね!!でもホントその通りですね!!
障がいあるんだぞ!だから合わせるのがお前らのやるべき事だろ!
と言われても、出来る範囲、許せる範囲というのが
絶対的にありますからね!それは人として当たり前の事ですよね。
これはホント、やってて常々思う事なんですけど・・・
明らかに障がい者とわかりやすい方と、そうでない方がいた時に、
わかりやすい方の方が、意外と周りとのトラブルが少なかったりするんですよね。
それって、一見して障がい者とわかりづらい方、精神の方なんてホントそうだと思うんですけど、
自分はこうありたい!こう見られたい!こうあるべきだ!って
訴えに出すぎなんだと思うんですよね。
そこは支援者側もそうですが、被支援者側の方もお互いにですね・・・
理解し合おうとする。
学び合おうとする。
そういう姿勢が必要なんじゃないかと思います。
そうですよね!これは健常、障がい関係なく人間関係って
そういうもんですもんね。お互いのクセを認識して、認め合う。
それが出来たら、もっともっと引きこもり問題も、障がい差別も
わかりやすい問題にわっていくのかもしれませんね。
そうですね。ホントそうです。
そう思えたら一番だと思います。
終わりに・・・
私は厳しいよ!と語りながら、終始笑顔。
そんな西島さんの姿勢から、ありのまま、真っ直ぐに支援に当たられているんだろうと
強い信頼感を抱きながら、お話しさせていただきました。
多くの方の現状の改善から、未来へ繋がる道筋も、
障がい有無に関係なく、人として向き合う考え方や姿勢が
あるからこそ出来ているんだろうなぁと・・・
時に厳しすぎる!なんて言われたりもするようですが・・・w
いやいや、それは必要な厳しさだ!と、
激しい共感を覚えながらインタビューを終えた編集長でありました。
☆西島さんがいらっしゃるところ☆
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インタビュアー:山田賢明
編集:山田香綸